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兄弟どっちも放課後ラブホ!?ローションHでぬるぬるぷれい!

爽快晴れ模様の金曜日、星哉と智章の年子兄弟が通う高校の体育館では球技大会が行われていた。 「もしかしてトモのクラスとぶつかるんじゃ」 バスケットボールでクラス対抗トーナメント戦、よって学年入り乱れ、上級生と下級生が争うことも当然ある。 星哉のクラスは一先ず同学年相手に第一試合を勝ち抜き、離れたコートで兄・智章のクラスも勝利したことを知った弟は甘酸っぱい昂揚感に一人どぎまぎしていた。 しかし星哉のクラスは第二試合で別の上級生クラスに大負けした。 「いてててて」 「セイヤン、大丈夫?」 「見事に吹っ飛ばされちゃったな」 しかも大柄な先輩からモロに体当たりを食らった星哉はコートど真ん中で派手に尻もちをついて多くの生徒にカッコワルイ姿を見せる羽目になった。 こわい、上級生こわい! いかつい! ごつい! 捻挫や打撲といったケガには至らず、特に謝られることもなく、こっぱずかしい思いをした星哉は友達の背中に隠れつつ残りの試合観戦へ。 正午を間近にして準決勝試合が始まった。 自分を吹っ飛ばした上級生のいるクラスと智章クラスの対決だった。 「うっわ、えげつな、まじか」 「あれ、ファウルとられないんだ」 「うまい具合に微調整してんじゃん?」 「あっ。あれはさすがに、やっぱとられた」 「えげつな」 弟を吹っ飛ばした同級生相手にファウルギリギリのプレーを連発し、しまいには悪質な行為と審判に見なされて一発退場、試合途中でチームのキーマンだった智章は引っ込んでしまい、結果、兄のクラスは惜敗した。 「イケメンにーちゃん、弟吹っ飛ばした相手に復讐したとか?」 クラスメートが笑い合う傍ら、準決勝試合中、ずっと顔面まっかでいた星哉は一段と紅潮した頬を見られないよう友達の背中にコアラばりにしがみつくのだった。 遠足や体育祭、今回の球技大会といったスポーツ系行事の場合、星哉達の通う高校は私服登校を可としていた。 いつもより早く始まった昼下がりの放課後。 動きやすいスポーツウェア姿の星哉は似たような格好の友達とお昼ごはんを食べにファミレスへ寄り道した。 「何にするっ? おれハンバーグ定食っ」 「おれも!」 「なんでっ、違うのにしろっ、いろいろ味見したいんだよーっ」 「セイヤンは? どする?」 「んーー。エビフライ洋食セットか、チキンカツ御膳」 「あ」 「へっ? なになにっ!虫っ? 急な真顔やめろっ」 「セイヤンのにーちゃん」 星哉が友達とランチをとろうとしていたファミレスへ智章もクラスメートと一緒にやってきた。 男女均等の大所帯だった。 興味津々な友達と共に出入り口に顔を向けていた星哉は、ワイワイキャアキャアしている一団の中心にいた智章と目が合うと大慌てでメニューに視線を戻した。 今、ちょっと、トモのこと見れない。 だって、さっきの試合の余韻、まだ余裕で残ってる。 いつもの試合よりなんか乱暴だったトモ兄。 すっごい、すっごく、かっこよかった〜〜……。 上級生御一行は窓際のテーブル席にいた下級生の横をワイワイキャアキャア通り過ぎて行った。 もちろん智章は通路側に座っていた星哉に気が付いた。 ランチメニューの裏側の白い方を何故だか凝視している弟に、ちょっと笑って、戯れに頭をぐしゃぐしゃしていった……。

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