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食事を済ませると、近場の銭湯に向かう。
俊平は着てきた制服しか持っておらず、敏彦に浴衣や手ぬぐいを借りると夜の街へと二人で繰り出す。
ガス街灯の明かりが道を照らし、まだ早い時間のせいか人が多く行き交っていた。
昼の雰囲気とは違った、綺羅びやかな様相と隣にいる敏彦の存在に俊平は胸が一杯になる。
銭湯の浴室で引き締まった敏彦の体つきを目にし、俊平は落ち着かない気持ちですぐに逆上せてしまった。
敏彦に笑われながらも、先に湯から上がると借りた浴衣に袖を通す。
少し大きいが、寝るだけなら問題ないだろう。
落ち着かない気持ちを持て余しつつ、俊平は先に銭湯の入り口で敏彦を待つ。
「中にいればよかっただろ。湯冷めしてしまうじゃないか」
少し不服そうな声が背後からかかり、敏彦が来たのだと分かった。
「すみません。逆上せてしまったので……夜風で冷まそうと」
「そうか……。冷え切ってしまう前に、早く戻ろう」
少し速い足取りで、二人で家に戻る。
敏彦に二階の寝室に案内されると、すでに布団が一組敷かれていた。
「あいにく、客人用の布団は用意してなくてな……良いか?」
敏彦はこれから行われることに示唆して、含みのある物言いをしているのだろう。
「……はい」
俊平の胸の鼓動が早くなり、口の中が乾いてくる。
敏彦が部屋の明かりを消すと、窓から差し込む月明かりだけがぼんやりと室内を照らしていた。
立ち尽くす俊平の手を取ると、敏彦は布団の上に連れて行き二人で座り込む。
無言のまま、敏彦が顔を近づけてきたので俊平は静かに目を閉じた。
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