3 / 7
男の誓い
十分に空気吸った俺は。
「こんな事、いつもの事じゃないか」
自分にそう言い聞かせると。
「そうだぞ、男が泣くな。だらしねぇ」
急いで目を拭い。
「泣きたいだけ泣けつったの、誰だよ。あと、俺は泣いてない」
「そうだけどよ。てか、こんなに目の周り真っ赤にして、言い逃れは出来ねぇよ」
久我は、俺の目元に触れながら言った。
「この仕事やる時言ったよな、戦場で誰が死のうと、例えお互いでも、絶対ぇ泣いたりなんかしねぇ、逆に笑ってやるって。おやおやぁ、それとも忘れちまったかぁ」
「忘れる訳ねぇだろ、お前が死んだら墓の前で宴会してやるよ」
「お、その勢いだ」
このいつも通りの会話のおかげで気が少し落ち着いた。辛いがこの出来事が俺の背を押す。
「ありがとな」
部屋に帰ろうとした時、行く手を阻むように手を出す久我。
「何だ」
突然、強引的に抱きついてきた。
「ど、どうした。体調でも悪いのか?」
「…たい」
耳元で囁いた。
「あ?」
「シたい」
「何を」
ため息をつき、俺の目を見て。
「愛の営み?」
「っ何を考えているんだ、俺は男だ!」
とっさに、久我を突き放した。
「そんな事ぐれぇ分かってる!。お前だから…」
急にさっきまでの勢いがなくなり、顔を少し赤らめて、俺から目をそらす。
「…じゃあ聞く、何故俺なんだ」
「好きだから」
久我は質問に即答で答え、ゆっくりと俺にハグをした。動揺を隠せない俺は。
「じゃあ、今度米軍が来た時、勝って互いが生きてたらな」
「えぇぇぇ」
「おやおやぁ久我君は、勝てる自信が無いのかなー」
久我を馬鹿にする様に言ってみた。
「勝てるに決まってんだろ!。この俺が米軍なんかに、負ける訳ねぇよ」
「その意気だ」
その後は、互いの部屋に帰った。
ともだちにシェアしよう!