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男の誓い

十分に空気吸った俺は。 「こんな事、いつもの事じゃないか」  自分にそう言い聞かせると。 「そうだぞ、男が泣くな。だらしねぇ」 急いで目を拭い。 「泣きたいだけ泣けつったの、誰だよ。あと、俺は泣いてない」 「そうだけどよ。てか、こんなに目の周り真っ赤にして、言い逃れは出来ねぇよ」  久我は、俺の目元に触れながら言った。 「この仕事やる時言ったよな、戦場で誰が死のうと、例えお互いでも、絶対ぇ泣いたりなんかしねぇ、逆に笑ってやるって。おやおやぁ、それとも忘れちまったかぁ」 「忘れる訳ねぇだろ、お前が死んだら墓の前で宴会してやるよ」 「お、その勢いだ」  このいつも通りの会話のおかげで気が少し落ち着いた。辛いがこの出来事が俺の背を押す。 「ありがとな」  部屋に帰ろうとした時、行く手を阻むように手を出す久我。 「何だ」  突然、強引的に抱きついてきた。 「ど、どうした。体調でも悪いのか?」 「…たい」  耳元で囁いた。 「あ?」 「シたい」 「何を」  ため息をつき、俺の目を見て。 「愛の営み?」 「っ何を考えているんだ、俺は男だ!」 とっさに、久我を突き放した。 「そんな事ぐれぇ分かってる!。お前だから…」  急にさっきまでの勢いがなくなり、顔を少し赤らめて、俺から目をそらす。 「…じゃあ聞く、何故俺なんだ」 「好きだから」  久我は質問に即答で答え、ゆっくりと俺にハグをした。動揺を隠せない俺は。 「じゃあ、今度米軍が来た時、勝って互いが生きてたらな」 「えぇぇぇ」 「おやおやぁ久我君は、勝てる自信が無いのかなー」  久我を馬鹿にする様に言ってみた。 「勝てるに決まってんだろ!。この俺が米軍なんかに、負ける訳ねぇよ」 「その意気だ」  その後は、互いの部屋に帰った。

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