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イケメン……だけど

それから優斗と事前に知らされていた教室に 向かった。ちなみに俺達は同じでBクラス。 優斗と同じと知った時はとりあえずホッとした。…………言わないけど。 「ねぇ?千聖ぉ~あそこの真ん中の人見え た??イケメンかなぁ?ねぇ?どう?」 優斗はさっきから教室までずっとこの調子で、あの群れの中心人物の話を繰り返している 下駄箱当たりで面倒になってから返事すら返してないのに話しかけ続けるあたりはさすがだ……が!うざい。 Aクラスの前に来たところで、何となく姿勢を正して少し窓の方を向きながら進む。 そしてBクラまであと数歩の距離で優斗が軽く走り、ドアを開けた 「おっはよぉ!Bクラになった優斗だよぉ 優斗ってよんでねぇ?」 …………。こいつマジか。 中学では部活以外はかぶらなかったから知らなかったけど、まさか中学の入学式の日もこんなんだったのか!? ん?……あれ? え、待てよ。この後に入るの!? え、無理じゃん。 優斗より数歩後にいるので中の様子は伺えないが、明らかに盛り上がってる風じゃない。 いや、当たり前か。 今なら俺も見えてないだろうし、とりあえず 引き返すか?考えるまでもない。引き返そう! そう思って少し速足でUターンし、階段まで行った。 ドンッ 階段を下りきり曲がったところで何かにぶつかってバランスを崩し後ろに倒れそうになった 経験で目を閉じ、衝撃を予測していたが 思っていた痛みもなく、強いて言うなら 左腕が少し痛いくらいですんだ 「おっと、ごめん?余所見しとった。」 とても綺麗でどこか冷たい声に向かって視線を上げたが、見えたのは色白の綺麗な鎖骨で、背が高い方なので見上げるなんてそうそうなくてびっくりしたが、もう少し視線を上げた 「いや、こちらこそ考え事してて、見えてませんでした。すみません。 」 そこには、凄い長身で少し制服を着崩した人がいた。そして恐ろしい程顔が整っていた 「あれ?」 その人はそう言うと右手を首元まで持って いき少し首の後ろを掻いた どうやら俺の左腕を掴んで倒れるのを阻止してくれたらしい 良い人じゃん? 「あ、あの!ありがとうございました」 そう言ってぺこりと頭を下げた 「ん?あぁね。ううん、いーよ?」 その人はジロジロと俺を見ていて、少し微妙な雰囲気になってきた。え、何? 「あ、あの?じゃあ、……」 居た堪れなくなって、その場を去ろうとするとまた左腕を掴まれた 「え、な、なに?あ、いや、なんですか?」 「新入生?」 「あ、はい。」 部活の勧誘かなんかだと思いどう断ろうかと 考えていると 「俺も。」 ・・・・・は?なんて言った?新入生!? こんなでっかいやつが!? 「え、えぇーーー!?!?!?」 「反応面白いね?」 「あ、え、はぃ、あ、ありがと?」 「ぶっ、お礼」 肩を震わせ笑っているこいつ 何か、見た目もだけど全体的に馬鹿にされてるみたいで腹立つな! 確かによく見ると制服も鞄も真新しい。 「なぁ、名前は?」 「あ、……夏目。」 「下」 「……千聖」 「クラスは?」 「B」 「お、一緒だ。宜しく~」 「えっと、宜しく。」 「かったいなぁ。」 えっと一言いい?ムカつくんだけど! だいたいなんで俺だけ名乗んないといけないんだよ!!まずは名乗れよ!礼儀だろ!!! こいつ、イケメンだけど…………ムカつく!!!

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