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喰えない奴
ムスッとしていると急にふぅと息を吐いて
こいつは俺を見た。
見下ろされるの慣れてないからか、少し不安になる
「俺は奏。苗字は村主。」
「……別に、聞いてない。」
「あれ?聞きたかったとやろ?」
少し訛った言い方に引っかったが、
母親が大阪生まれの俺からしたら別に何ともない。もしかしたらこいつも大阪生まれなのかもしれない
「あー、誕生日は8月4日」
「だから聞いてない!」
「獅子座のAB型?」
「…………」
「趣味はない」
こいつ話が通じない奴だ。
こんな奴とずっと過ごしてきた俺は知ってる
何をしても言っても無駄だと言うことを
でも、優斗と違って何となくわざとらしく感じる。こいつ多分喰えないやつだ。
「なぁ。教えてやったけんがらさ、
ひとつ教えてよ」
けん、がら、さ?…………はて?
「あー、めんど。えっと、、
教えてあげたので、ひとつ教えてよ。」
何かいちいちムカつくな!!
でも今確実に分かった。こいつ大阪じゃない
「何で?……何で俺見て……いや、やっぱよか」
「……?何だよ、気になるだろ?」
「………………んー、俺の事、どー思う?」
は?そんなん、会ったばっかで知るかよ
あ!でも1つ
「失礼な奴」
そう言うと村主は目を丸くして再び笑いだした
「くくっ、」
暫く笑っていた村主
どうでもいいけど、人通りも増えてチラチラ見られて恥ずかしい。しかも村主を見るなり顔を赤くする女子も多く、やっぱりこいつはイケメンなんだなぁなんて思って待っていた
イケメンだからって別にどうもないけども
「えっと、千聖?だっけ。
お前にキョーミ出てきた、」
「……そりゃどーも?」
「じゃあ、行こか」
「あぁ、うん。」
「村主、」
「あ、奏でよか」
「……かなで、は出身どこ?」
「んー?福岡」
「あぁ、それで」
「何?」
「いやーイントネーションが大阪っぽかった
から西日本だろなー、的なね?
俺も母親大阪生まれなんだよ」
「ふーん、にしては標準やん?」
「何となくだよ、家ではたまに出る」
それから教室までたわいのない話をしていた
凄く目立っていたのだけど奏と話すのが楽しくて気づくことは無かった
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