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そら豆✕ エンドウ◎
びっくりして奏を見る、目は真剣だった
そんな空気の中
ぐぅーと音がして、途端に恥ずかしくなる
空気よんで!俺!の腹!
「ふふっ、お腹空いた?昼も食べんかったし」
「……ごめん」
「もうすぐできるけん、リビング行こか?」
「うん。」
と言っても、
動けないから連れてこられたんだけどね。
お姫様抱っことか初めてされた
したことないのに、されるのが先ってどうよ?
俺男なのに。
痛かったけど、優しく庇いながらしてくれて
まぁ、その、何となく嬉しかった。
寝室を出て、連れてこられたリビングは広かった。清潔感があってインテリアもすごいオシャレ
でも、生活感は全くと言っていいほどなくて
モデルルームの様だ
部屋の真ん中にあるコ型の大きなソファに座らせられた。ちょっと痛かったけど、ソファがフカフカであまり負担は無かった
「千聖、嫌いなもんある?」
「えっと、……。ない。」
「嘘やん、何?」
人様の家で嫌いなものが出てもちゃんと食べなさいね?と言う母さんの言葉が母さんのビジョン付きで出てくる。
「千聖、別に気ぃ使わんでよかよ」
「……。あげ。豆腐。小豆。きな粉。」
……ごめん、母さん。
「あげ?ってあの味噌汁とかの?」
「うん。」
「豆製品が好きじゃないんや?」
「うん。」
「インゲンとか、グリンピースとかは?」
「大丈夫。」
「そら豆は?」
「あ、それもダメ」
「スナックエンドウ」
「大好き」
「……。基準がわからん。」
それから奏が手を動かしながら外国の変な名前の豆とか言い出して、キリがなくてやめた。
ソファの前のガラステーブルに出てきたのは
色鮮やかなパスタだった
海老や蟹、烏賊や蜊なんかも入ってて
魚介のいい匂いがした。
同時にパプリカとかはっぱ?とか野菜も色が綺麗で某芸能人の海の宝石箱や〜と言う言葉に初めて納得した気分だった
「魚介は平気?」
「うん!海老好き!いただきます!」
「どうぞ」
だいぶ手なら動くようになってきて(まあおじいちゃんみたいにプルプルしてたけど)
パクっと1口食べると、何の調味料か分かんなかったけどすごく美味しい!!!!!!!
何これ!?何これーーーー!!!
「美味しか?」
「すっげー美味い!!!!」
「ふふっ良かった」
「レトルト?」
「いや?自作」
「え!?すげー!!」
途中喉が痛くなって止まった時に、何も聞かず察して、背中を摩り一緒に待っててくれた奏を見て優しい奴だと思った
それからバスケの話をしながら食べ終えて
手を合わせて
「ごちそうさまでした!」
美味しかった!
奏が皿を持っていき、洗浄機へ入れて、代わりに甘いカフェラテとアイスを持ってきてくれた
カフェラテも奏がいれたらしく、すごく美味しくて、アイスも!?って聞いたら、それはさすがにと苦笑していた。
穏やかな時間でちょっと忘れかけていた
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