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初めて

「あ"っ!いだい!い"やーー!!いだい!」 昨日みたいに千聖の悲鳴……絶叫が部屋に響く なんで?なんで?とうわ言のように千聖が繰り返す。 なんでって?なんでやろな。 千聖があの二人を心底信用しとるってことが目に見えて分かることも、俺にもあの二人にも気を使う千聖をあいつが試したことも、千聖がそれでも何も言わなかったことも、 何かひっかかる。ムカつくのか、安心したのかはよく分からん。 そして、あのカムラって奴が千聖を大事に出来とること。俺は大事に出来なかったんに。 カムラはきっとずっと千聖が好きなんやと思う。なのにきっとずっと大事にしてきたんや 「千聖?どうして?どげんしたら千聖は俺に1番近か存在になると?」 千聖の足を肩にかけて、千聖の肩を持って、 千聖のそこに思いっきり自分のを食い込ませる。昨日よりも楽だと言っても相当キツい。切れて、塞がり始めた部分もまた赤い血を流している。 「あ"っ!い"!や、やめっ、うっ、あ"ぁー!!か、かな、おねがっ、あ"ぁーー!!!!」 「どうして、千聖は俺を許したん?俺が金持っとるっておもたから?こんなええとこ住んどるから?それとも俺が、…………俺の顔が好きやったから?結局千聖もそうなんやろ?」 「あ、やめっ、うっ、ゴホッ」 千聖はもう、声も枯れ枯れで微かに痛いとなんでとやめてを繰り返すだけだった 罪悪感もある。昨日言ったことも嘘やない。 悪かったとおもとるし、もうせんともちこた けど、こんなふうにしてしまう俺も嘘やない 不安とか焦燥感が攻め立ててきて、自分でコントロールなんてできもせん。 ………………なんでやろ、俺。 もっと余裕ある奴ち、自分で思とったとに。 「ごめんな。千聖。 ………………………………好きや。」 多分、千聖が好き。初めて千聖に向けて言葉にした。千聖には聞こえているやろか。 千聖はきっと『俺』を好きやないけど、俺は千聖に惹かれとる。それはどーしよーもない事実なんやと、身体中を赤に染め、後ろからドロドロと液体を流す千聖をみておもた。 こんなにせんとわからんなんて ほんま俺サイテーや。

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