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最大限の情報
少し震えながら千聖が言うた言葉は、どちらかと言えば、否、言わずとも、予想外やった
「……本当は、家族について聞きたかった」
………………は?カゾク?カゾクって、家族?
「……えっーと、どゆこと?」
「奏は俺の家族構成とか、母さんと千優の名前とか漢字まで知ってるのに。俺はなんも知らない。」
まさか、そんなことで?
じゃあ、カルボナーラの「か」って家族の「か」なん?
そんな事で俺あんなにキレとっとん?恥ずっ
「普通に聞けばよかやん?」
「……しつ、…………き、…ていっ…、…………ん」
「え?」
「しつこいのは嫌いっていったじゃん!!」
え?そんなん言ったか??
「え?嘘やろ?」
「言ってた!」
「んー?」
あ、
『いちいちしつこいのは嫌やし』
もしかして、あの時のか~
「あれは千聖にじゃなかよ?」
「分かってる。けど怖かった。いつも何か家族の事話したくなさそうだったし。でも何でかよく分かんないけど知りたいんだよ。どんなにつまんなくても、知りたいんだ。奏の事。」
俺の裾を、掴んで言う千聖はまじ可愛か。
家族……ねぇ。
「あんま、話さなかったんは、言うほど何かあるわけやなかったし。それに……。」
じーと見つめる千聖に嘘を言いたくない。けどあんまり深いことを言って引かれたくもない。
でも、知りたいと言ってくれた千聖に応えたいと思ってしまうなんて八方塞がりやん。
キラキラとした目を向ける千聖に一瞬言葉が詰まる。
「…………俺の家族はな、6人。
父親と母親と姉貴が2人で弟が1人。」
出来ればこれ以上言いたくはないけど
「どんな人?」
やんなー。そうよなー。
何そのキラキラした目、可愛いかよ。
「んー。父親はロシアのハーフ。考えるのが嫌いでその場の乗り任せ。」
「凄い。」
そうか?ただののんびり屋だ。
「母親は天然?みたいな感じ」
「へぇー」
そしてかなりの……。いや、言わんどこ
「上の姉ちゃんは人生謳歌しとる。下の姉ちゃんは変人。……弟は…………俺あいつ嫌いなんよ」
「…………な、……何で?」
恐る恐ると言った感じで千聖が聞く。
「…………気が合わんとやろね。」
気が済んだ?と聞いたら、名前知りたいとか言い出して、意外と千聖は頑固なんかもと思った。
嫌な気はしない……けど知って欲しくないこともやっぱりあるのも事実。
今はこれが最大限やしな。
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