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誕生日 of 優斗 お父さん

「誕生日おめでとう。ゆーと。」 「おめでとう、優。」 「おめっとさん~」 「ふふっ、ありがとー!」 フゥーと優斗がケーキの炎を消して、皆口々にお祝いを言う。昨日はあれから、2人で和やかに時間を過ごせたし、何かその、幸せだった。 「ふふっ、良かったね、優斗さん」 「うん!パピーもケーキありがとぉ」 「いえいえ、どういたしまして」 優斗のお父さん、正明さんが優斗に笑いかけている。微笑ましいなぁ。 ジュースに手を伸ばそうとすると、隣に座っている奏がツンツンと俺の裾を引っ張った。 「なー?」 奏が小声なのでつい、小声になる 「どうかした?」 「あれが、優斗のおとんやろ?」 「そうだよ」 「何か、イメージとちごた。」 たしかに、優斗のお父さんとは思えないほど 丁寧だし、落ち着いてる(これ重要)しな~ 「今日は、優斗さんの為に来てくれてありがとうございます。千聖さん、礼さん。それと、奏さん。初めまして、優斗さんのお父さんの桜庭正明です。」 礼は軽く会釈して、俺は少し微笑んだ。 何か優斗のお父さんといると落ちつくっていうか、何か優しい気持ちになるっていうか、よくわかんないけど、とにかくそんな感じ 「初めまして、村主奏です。こちらこそお呼びいただいてありがとうございます。」 奏は標準語を話すととたんに纏う空気が変わる気がする。とても綺麗なのに、どこか一線を引いているそんな声になる気がする。まぁ、普段が心開いた感じなのかと言われたらそれはそれで違うけれども。 正明さんは奏に笑いかけたあと、俺を見て、 礼を見て少し悲しそうに微笑んだ。 「礼さん。」 「あ、はい」 突然呼ばれた礼が慌てて答える 「楽しんでくださいね」 「え?……はい。」 「では、みなさんも。それでは僕は下にいますので何かあれば。」 そう言って、部屋を出ていってしまった。 え、何、どゆこと? そう思ったのは俺だけではないらしく、 「礼ぃ、パピー、何で礼に言ったの?」 「何で僕に分かると思ったの?」 「……千聖ぉ、」 「知らないぞ」 「奏ぇ」 「もっと知らんわ」 そして分からないのも俺だけではないらしい 相変わらず不思議な感じの人だなぁ 春みたいな人だ 桜の花びらみたいに掴みどころがないのに それでいて纏うもので優しさもあたたかさも感じさせる。

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