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誕生日 of 優斗 口下手?
ケーキを食べ始めて暫くすると、1つ気になり始めた。優斗はいつもと変わんないけど。
礼が奏と話さないどころか見もしない。礼は人当たりもいいし、話し上手で聞き上手だし友好的なんだけどなぁ。
奏も礼に話しかけないし、お互い無視してるって感じが続いてる。
因みに四角っぽい小さなテーブルを時計回りに優斗、礼、俺、奏で座ってるから、礼と奏は正面同士なのに。
この感じはいたたまれない
「……れ、礼!……はそのぉ、クラスどんな感じ、なの??」
焦りすぎて、少し裏返った。
隣でクスッと笑う声がしたので、後でシメる
「クラス?何か、割と落ち着いてる感じで、男子と女子の壁もなくて、過ごしやすいよ」
「そ、そっか!俺達のクラスは、その」
チラッと奏を見ると、何?みたいな目で見てくる。何か話してほしいのに
「俺達のクラスはみーーーんな、奏なんだよぉ!俺もモテたいのにーーー!!!」
「いや、この前のでけっこう減ったで?」
あ、皆で話せる感じ!?
良かった、お題的には苦手分野だけど
まあ、4人で話せるなら何でもいっか。
「礼、モテるだろ??好きな子出来た?」
「「「……………………………………。」」」
シーンと部屋が静まり返る。
「え?……どうしたの?」
奏も、あの優斗も目線を泳がせている
礼は下を向いていたけど、持っていたコップをコトッと静かにテーブルに置いた。
え?何!?
「……ううん、まだ出来そうにない、かな?」
ふっと笑う礼がいつもと違う感じがする。
「あ、え、あっ、……そ、そっか。」
これは続けたらまずい。そう思って終わりに向かわせる。そもそも4人で仲良く話そうと思ってたのに。何でこーなった。やっぱり口下手って仲良い間柄でも治らないのか。
また、シーンとなる。かと言って何か話してあんな空気になったら…………。
口を開いたのは礼だった
「千は、す……奏と付き合ってるんだろ?」
バレてるとは思っていたけれど面と向かって言われると恥ずかしい!つい視線をずらす。
チラッと奏を見ると少しびっくりした顔をしてる。奏も何で知っとると?とか思ってるのかな。
「………………うん。」
やっとの事で声を出す
「そっか。幸せ?」
奏の事を考えると自然と口角が上がる
「うん。」
「……そっか。良かった。」
「礼ぃ。」
優斗が悲しそうに礼を見る。
どうしたんだろう。
なんだろこの感じ。今までは礼と優斗の考えなんて何でも分かったのに。
礼はニコッと笑ってまたコップを取った。
そして一気に飲み干した。
何か変だ。
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