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誕生日 of 優斗 バーンっ!
ケーキ…………甘い。
と思うけど、優斗のおとんが作っとるし、言えんよな~
それに優斗も、千聖も、あいつも、ニコニコ食べとるあたり、いつもこれなんやろーし。多分優斗もかなりの甘党なんやろな~千聖もクールに見えるのに苦いのダメやし、ほんま可愛か。
あいつはそうでもなさそうやったけど、
甘い物が好きやろうが、辛いのが好きやろうが、欠片も興味はない。
それにしても優斗のおとんにはびびった。あの感じ、苦手や。何でも見透かしとるみたいな。
「……れ、礼!……はそのぉ、クラスどんな感じ、なの??」
千聖が裏返った声で言った。
思わず笑ってしまったのを手で抑える。
「クラス?何か、割と落ち着いてる感じで、男子と女子の壁もなくて、過ごしやすいよ」
「そ、そっか!俺達のクラスは、その」
チラッと俺を見る千聖に、何?みたいな目で見る。多分俺とあいつが話とらんけん何か話させよーち思いよっとやろばってん、嫌や。
「俺達のクラスはみーーーんな、奏なんだよぉ!俺もモテたいのにーーー!!!」
俺はモテても嬉しくない
優斗が地団駄を踏む子供みたいやわ~
「いや、この前のでけっこう減ったで?」
明らかにホッとした顔の千聖はニコニコして、あいつに話しかけたんやけど
「礼、モテるだろ??好きな子出来た?」
「「「……………………………………。」」」
きっつい。流石に同情する。
ずっと好きやったやつにこんなんとか。
シーンと部屋が静まり返る。
「え?……どうしたの?」
え?何!?って感じで千聖はオロオロしとるけど、なんか、こう、
「……ううん、まだ出来そうにない、かな?」
やろうな。筋金入りやったし
「あ、え、あっ、……そ、そっか。」
俺達を見ながら、オドオドする千聖。
多分口下手なんを恨んどるとやろばってん、今回は口下手どうこうやなくて、ただの鈍感や。
千聖が鈍感やったおかげで、今があると思うと一概に責められんけど。
「千は、す……奏と付き合ってるんだろ?」
……奏、って俺よな?
何で名前?絶対呼ばれんと思とったし、
てか、村主って言いかけたやろ
「………………うん。」
「そっか。幸せ?」
「うん。」
「……そっか。良かった。」
「礼ぃ。」
俺が千聖といれるんは、優斗とこいつのおかげな部分も少しあるやろし。そう思うと強いやつやと思う。
はぁ。しゃーない。
「礼。さんきゅ。」
千聖と優斗がめっちゃびっくりしとる。
礼も少し目を開いて、不敵に笑った。
「認めたわけじゃないからな?」
ムカつく。けど、
「望むところやん?」
「え?えぇ??あ、……えぇ??」
「え!?何!?どゆこと!?」
「かな『優ぅー!!!!
千聖に被ってバタン!!と扉が開く。
見たことない2人が入ってきた。
え、めんどくさすぎる予感するっちゃけど??
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