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誕生日 of 優斗 もう行かん
「ところで、君、誰?」
はぁ、めんどい。
ちょっと前ににっこにこした2人がバーンって感じで入ってきた。まあ、そん時から怪しかったんやけど。マジでうるさい。
キンキンする耳を摩っとったら目の前では生産性の無い会話が飛び交っとるし、あったまの悪そうな会話を聞き過ぎたけんやか?頭までクラクラしてきたきぶんになる。
耳を摩っとった手を眉間に持っていって抑えながら少し深く息をしよったら、茶髪と金髪が俺の方をくるっと向いた。
で、今に至るんやけど。
正直苦手なタイプや。何かこう本能的に生きとるみたいな?理屈とかそーゆーんが通じん、こーゆーのを相手にするんが1番めんどい。その点、優斗はまだ話の通じるっつうか、聡いけんがら相手しやすいけど。
俺がいつまでん口ば開かんけんやろうけど
茶髪の方がやれやれって感じでニコッと笑う
「ごめんね?いきなり失礼だったね!
俺は優斗のお兄ちゃんの快斗。
こっちは俺の弟で優斗のお兄ちゃんの雅人
初めまして、だよね?」
チラッと千聖を見ると何か目の前で喧嘩を見とるみたいにキョドっていた。ちょっと笑いそうになる。流石に俺も恋人の幼馴染の兄ちゃんずに喧嘩を売ろうとは思わんし。挨拶は礼儀やしな。少し口角を上げて、微笑んでみせる。
「すみません、少しびっくりしてしまって、
初めまして、優斗と同じクラスの村主奏です。」
外面はええ方やて自覚はあったんやけど、優斗と礼はうぇって感じで目を細めとるし、千聖はまたかみたいに呆れとる。なんでかやん
肝心の兄貴達は品定めするみたいにジロジロと俺を見る。そして上の方がとんでもないことを言った。
「…………君、優斗の事好きなんじゃないだろうね?」
「はぁ?」
流石に外面のいい俺も素が出てしまう。
けどそう思とるのは俺だけみたいで、皆あーあって感じでケーキを食べたり、ジュースを飲んだりしとる。
それからは地獄やった。
「で!?どうなの??」
「どうなんだよ、ロン毛ヤロー」
黙れ金髪
「好きやないわ」
「え!?こんなに可愛い優斗を好きじゃないの!?」
「お前それでも人間か!?ありえねー」
どっちやねん
「じゃあ、好きでよか」
「やっばり、好きなんでしょ!?」
「ちっ、このロン毛ヤロー」
なんなん、まじで
その後も黙った俺にギャーギャーと優斗のことについて言い続ける茶髪と金髪。
まじでうるさい。俺が好きなんは千聖や。
「あの!優斗と奏は友達だよ!」
声の方に目を向けると流石にかわいそーにおもたんやろ、千聖がフォローを入れる。
「まぁ、いいや。でも君ねぇ。
優斗を好きなら俺らがまずは相手だから」
何のやねん。返すのもめんどい。
決めた。優斗の誕生日会にはもう行かん。
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