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天皇

バクバクと心臓が大きく跳ねる 今、千聖はどんな顔してる?なんて言われる?分かってたのに。ちゃんと千聖なりに精一杯だったって。分かってたのに。 「優斗……」 自分でも驚くくらい肩が揺れた 「……………」 「俺は、その、優斗が特別なんだよ」 うん。え、うん? 「……はい?」 何を言ってらっしゃるのか?え、何!?どゆこと?、謝られたり、責められたりする事はあってもよもやこんなことになろうとは 「普通にクラスメイトとかに言わないのは、もちろん知られたくないし、信用してない、から?だけど。優斗に言わない、…っていうか、言えなかったのは、その、なんか、自信があったってゆうか?」 「自信?」 「現に優斗は俺のことを気にかけて、サポートしてくれたりとか、声掛けてくれたりとか、なんか色々してくれたじゃん」 「それは……当たり前?」 「そう!当たり前だろ?優斗と俺が逆でもそうなった!絶対!………そんな風にさ、話さなくても分かってもらえてる?分かってくれる、みたいな自信があった、」 そんな事言われたら、 「それに、俺も色々初めてで!!何をどう言っていいのか分かんなかったんだよ!ここ最近めっちゃ濃い生活?送ってたから、何かもう自分でも言葉にできない感じだったんだよ!俺今まで平凡だったから!急に、凡人が天皇になった!ってくらい訳わかんなかったんだよ!」 今天皇が出たのは、2時間目が社会で天皇の生活を熱く田代が語っていたからだろうか?だとしたらなんと単純なんだ。確かに天皇の生活は凡人の我々にはよく理解できなかったけど、さ? 「千聖、天皇じゃないじゃん」 「え、そこ!?」 そうだね!そこじゃなかった! 「ごめん、今日の田代の話、俺も意味わかんなくて、ちょっとどこかに引っかかってたから。それは確かに意味わかんないよな!」 「もうどれが何で、何が意味わかんないかわかんないよ」 「「ふっ、」」 あははと笑い合う。おかしすぎて涙が出てくる。お互いがお互いの考えてる事が分かる。いや、本当は分からない。 分からないから、分かろうとして。 それでも分からなかったり、上手くいかなくてもどかしいことも悔しいこともあるけれど。 きっと俺らは大丈夫。 そんな気がした。 「俺も。千聖が特別だ」 ちゃんと伝えて欲しいとは思うけどね

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