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1学期の中間試験も終わり、今日はその返却日というこで、それなりにクラスはざわついていた。 「いや、俺、やべーよ。多分ゴミみたいなの返ってくる」 「ノー勉だったし、自信ないなぁ」 「現代文は割といけた気がする」 国(古典・漢文、現代文・小説)、数(数Ⅰ・数II)、社(現社、世界史)、理(物理基礎、化学基礎)、英(コミュ英、英表)、主要5科目で行われたテスト まだ、中間が終わったばかりだが、期末になればこれに副教科の家庭科、保体、音楽、情報なんかが入ってくるとなれば今から頭が痛くなる。 「はーい、席に着いてください。 今日の朝はテストを全部返却します。 採点ミスなどはその教科の最初の授業中で担当の先生に申し出てください。」 さらにザワつく教室。 自慢じゃないが、俺、最近、い、いろいろあって?まぁ、それどころじゃなくて?勉強できてなくて………。 高校受験以来もうバカになりつつある。 そんなゴタゴタ中に戻ってきていた担任の与田先生は、几帳面というか真面目な人のようで、教科ごとに1枚1枚配るのではなく、個人ごとに束にしてまとめてあった。 お陰様で名前を呼ばれるまでのワクドキ的なものはショートカットされて、現実の重さを一気に両手に貰うことになってしまった。 「あと、テストの平均点上位50名は廊下に掲示されます。それから赤点取った人は再テストあるので覚悟しなさい。」 上位50には俺の名前は、あるわけない。載ってるわけない。礼は載ってそうだな〜。 救いなのは赤点がひとつもなかったことだ。 41点というなかなかのラインを攻めた紙は1枚混ざっていたが。 みんな、結果に一喜一憂したり、呆けたり嘆いたりと忙しそうだ。 あ、まてよ? 俺がごたってたってことは? もちろん奏もごたってたわけで? 隣を見ると特に何も感じてなさそうに普通に答案を鞄にしまう奏がいた。 平均点とか気にならないのか? 「ん?どした?」 「うぇ?あ、いや、その。別に???」 「?…、そう?」 流石に点数聞くのは意地が悪いよな。 奏も悪かっただろ?なんて、 「ちさとぉ〜俺平均点69だったぁ 70行かなかったぁ〜」 この日のために小型の電卓を買った優斗が話しかけてきた。スマホで計算すればいいのに。 「ちっ、黙れ。」 「うへっ、怖っ〜なんでぇ?なんでそんなに機嫌悪いのぉ〜??? あ、もしかして、悪かった?????」 「チッ、ダマレ。」 「めっずらし〜千聖いつも俺より上なのにぃ あ、ねぇねぇ!!!上位50名見に行こーよー!!! 礼載ってるかもよ????」 「……」 なんだかんだ気になるし、 抗えん。 掲示物の前には人だかりができていて、主に女子が騒いでる。なんだ??? 下の方から見ていくと 「あ!礼いた!」 17位 1-E 嘉村礼 88 さすが礼。そつなくこなすなぁ〜 でも礼の事だから90いってない事に不満顔しそうだな 「……ねぇ、千聖。」 「ん?」 「1番の所」 やはり順位での注目度が高いのは1番だ。 「ねぇ、あれって。村主奏って見えるよ」 「はぁ?」 「しかも、さ。…、100点だよ?」 「ひゃ」 1番の所に照準を定めると 1位 1-B 村主奏 100 100?100って何?100ってさ。 つまり10回あるテストの1問も間違わなかったっていうことか??? そんなこと有り得るのか!?

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