「八坂・・・。」 俺の名前を呼ぶ久遠の声が弱々しくていつも教室で楽しそうに話している人物だと思えない程だった。 「何？俺、傷ついて可哀想な奴に見えた？」 久遠の方を見るとブンブンと首を振りボロボロと泣いている。 あぁ〜、イケメンが台無しだ。 でもなんだか泣き顔とか仕草が可愛いかも・・・。 て、おい！ 俺・・・。久遠の泣き顔見て何を思ってんだ！！ ヤバイ。 久遠に居られると俺なんか変な感じになる。 「なっ、マジうざい。俺、寝たいから帰れ。」 「嫌だ。」 はっ？ 意味わかんねえ。 「嫌だじゃねぇよ。イライラすんだよ。」 「ゆ、優ちゃん。」 優（ゆう）ちゃんと呼ぶ奴は1人しかいない。 ユヅキだからユウはおかしいと周りから言われても心翔は俺を優ちゃんと呼び続けた。