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第12話 君は誰?

「やめろ〜ッ!!」 ガバッ! 「ハァハァハァ・・・。やっ・・・め・・ウッ・・・」 目に入ってきたのは涙でボヤけた白い壁と鼻につく薬品の匂いだった。 俺はまたあの夢を見た。 高校に入学してから見ていなかった悪夢。 「くぅ〜ッッ。」 俺は布団を握りしめ下を向き涙を堪えていた。 「や・・八坂?大丈夫か?」 そう言って、俺の肩に久遠が手を置いてきた。 どうしてまだコイツ居るんだよ。 「やめろ!俺に触るな!!大丈夫だからもう帰れよ。」 俺は顔を上げ久遠を睨みつけ肩にあった手を払いのけたが久遠は動じず今度は両腕で俺を抱きしめてきた。 俺は一瞬何が起こっているのかわからなくなり呆然としていた。 「そんな、泣き顔で言われても説得力無いんだよ。優ちゃん。」 久遠が優ちゃんと言いながら俺の頭を撫でた。 それが『もう我慢しなくていいよ。』と言われているようで何故だかわからないが涙が目から溢れ出してきた。 そして俺は久遠の肩に顔を埋め声を上げて泣いた。 その間、久遠は俺を抱きしめて頭を優しく撫でてくれた。

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