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第5話 君は誰? Side心翔

パタパタパタパタ! 少し遠くから廊下を走る音がしていた。 八坂? まさかな八坂は廊下走るタイプじゃないし何かあっても落ち着いて行動しそうな感じがある。 クラスの奴らは学年2位とだけしか認識してないが体育の時間とか他の事にしろ何気に冷静に軽々と色んな事をこなしている。 俺はどんだけ八坂を見てるんだよ。 ちょっと自分で怖くなった。 さっきより走る足音が近づい来ている。 俺は気になり教室の前の扉から廊下を覗いてみた。 「ハァハァ・・・くっ・くお・・・久遠!」 トイレの方向から同じクラスの竹田が俺の名前を呼びらがら全力で走ってきた。 「おぅ!竹田は何?急いでどこ行くつもりだ?」 竹田は俺の所まで来ると俺の両腕を掴み掠れた声で言ってきた。 「たっ・・たすっ・・助けハァハァ・・助けて!おな、同じクラスの・・・えっと・・・。」 「竹田、いいから落ち着けよ。」 「あっ、2位。学年2位の・・早くしないと俺の代わりに身代わりにトイレ・・・・。」 学年2位? 八坂の事だよな? トイレ? まさか・・・! 竹田がトイレと言った瞬間に俺は竹田に掴まれていた腕を振り払いトイレへと走っていた。 竹田はよく同じクラスの日野達に嫌がらせをされていた。 その事で日野達に注意をして収まったかと思っていたんだがまさか・・・。 収まるどころか八坂を? それに誰とも関わらなかった八坂が? 身代わりに?

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