八坂・・・。 バン！！ 「八坂！！」 俺は勢いよくトイレのドアを開けた。 そして俺の視界に入ってきたのは床にうつ伏せになって倒れてる八坂だった。 トイレには八坂1人だけで日野達は居なかった。 うつ伏せになっている八坂の隣にしゃがみ込み八坂の名前を呼んで意識があるか確認したが反応がなかった。 頭打ってたらどうしよう？ うつ伏せだから大丈夫なのか？ 息はしてる。 どうしたら良いのかわからない。 「まっ・・・。まな・・・と・・・。」 えっ？ 聞き取りにくかったけど今、『まなと』って俺の名前を言ったよな？ 落ち着け俺。 確か聖兄さん今日は夕方から知り合いの応診に行くって言ってたよな？ 聖兄さんは、俺の母親が再婚した相手の双子の息子さんだ。 今は28歳。 義理の父が運営する病院に内科医として勤務している。 遥兄さんは精神科医。 長男の宗輔（ソウスケ）兄さんは外科医。 3人とも優秀な医師。