26 / 903

第8話 君は誰? Side心翔

「先生。八坂が・・・」 俺は穂波先生の顔を見たら安心したのか手が震えてきた。 「わかったから、大丈夫だから安心しろ。」 「はい。」 穂波先生はしゃがみ込みんでいた俺の肩をポンッと叩いてくれた。 情けない。 こんな時に動揺して泣きそうになるなんて・・・・。 「心翔。ハァハァ」 聖兄さんが息を切らしてやって来た。 聖兄さんは勤務する病院に連絡していて時間が掛かったらしく5分過ぎていた。 倒れてる八坂に近づき診察を始め聖兄さんが持ってきた毛布の上に八坂は仰向けに寝かされた。 「聖。救急車は呼んだけど来るまでに少しだけ時間がかかる。それと八坂のご両親には連絡が取れなくてね。僕もこの後先生方と用事があるから聖に任せても良いか?」 「大丈夫だ。八坂先生、緊急オペ中なんだ。それと、病院に着いて容体がわかり次第に颯斗(ハヤト)に連絡するから留守電だったらメッセージ入ておく。」 俺は目の前に居る八坂をただ呆然と立ち尽くして見ているしかなかった。 しばらくして救急隊員が到着した。 聖兄さんとやり取りをしたのち八坂は聖兄さんが勤務する病院へと運ばれた。 俺も付き添いたいと一緒に救急車に乗り込んだのだった。

ともだちにシェアしよう!