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第9話 君は誰? Side心翔
診察を終えた八坂は様子を見るという事で個室に1日入院する事になった。
詳しくは教えてもらえなかったが頭は打ってなく異常無しと聖兄さんから説明された。
良かった頭を打ってなくて本当に良かった。
俺は聖兄さんに帰るように言われたけど目覚めるまで側にいたいとお願いした。
今は八坂と2人っきり病室にいる。
でも八坂は眠ったままで俺は八坂の枕元に座り寝ている八坂を見つめていた。
俺が日野達の事をちゃんと解決していれば八坂がこんな目に遭うことはなかったんだ。
「八坂、ごめんな」
俺は眠っている八坂に謝った。
「うっ・・・ま・・・まな・・・まなと。行かないでくれ。」
そう言って八坂は右手を伸ばしている。
「えっ?八坂?俺はここに居るぞ」
俺は慌てて八坂の手を握った。
ギュッと両手で握ったが八坂からの反応は無かった。
夢でも見ているのか少しだけ苦しそうに見える。
何時もメガネと前髪で目元が見えなかったけど今はハッキリと八坂の顔が見れる。
目を瞑っていても分かる綺麗な二重まぶた。
男だと言われなければ女の子と間違いそうな顔立ちをしている。
「可愛い。」
口に出した言葉に俺はビックリした。
八坂は男だぞ・・・可愛いなんて思うのはおかしい。
おかしいよ・・・・・。
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