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第14話 君は誰? Side心翔
「やめろ〜ッ!!」
俺は八坂の叫び声にビックリして目を覚ました。
あっ・・・俺寝てたんだ。
八坂?
「ハァハァハァ・・・。やっ・・・め・・ウッ・・・」
八坂は下を向き苦しそうに見える。
俺は八坂が心配で声をかけながら八坂の肩を掴んだ。
「やめろ!俺に触るな!!大丈夫だからもう帰れよ。」
八坂は肩にあった俺の手を払いのけ睨んできたが目には涙が溜まっている。
「そんな、泣き顔で言われても説得力無いんだよ。優ちゃん。」
本当に1人になんて出来ない。
八坂に嫌われて拒絶されようが構わない。
この時に八坂に対する俺の気持ちが変わり始めていた。
その感情にまだ俺は気付いてはいない。
寝る度に悪夢?
そんな夢を見て1人で泣いているんじゃないかと思うと胸が締め付けられる。
俺はゆっくりと八坂の頭に手を伸ばしなるべく恐がられないように優しく頭を撫でた。
八坂の目からは涙が溢れ出している。
俺は八坂にこんなに苦しんで欲しくない出逢った日の時みたいに笑っていて欲しい。
八坂から俺にしがみ付き肩に顔をうずめて泣いていた。
八坂。
1人で泣かないでくれ・・・・。
ずっと俺がお前の側にいるからもう苦しまないでくれ・・・・。
そう思いながら俺は八坂の頭を撫でていた。
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