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第2話 ブルースター

入り口のドア前で心翔が立っている。 いつもの制服姿でもカッコ良いけど今日の心翔は雑誌から出てきたモデルさんみたいに凄くかっこいい。 心翔かっこいい。 僕、ドキドキしちゃう。 でも心翔どうして入ってきてくれないんだろ? 「心翔くん?」 「あっ・・・。すみません」 心翔の様子がおかった。 止めればよかったかな・・・。 やっぱり男だと女の子に見えないかな? 本当の女の子に頼めば良かったの? 心翔が僕以外に触れるなんて考えたらモヤモヤしちゃうよ。 僕そんなに似合ってないの? 心翔・・・。 「心翔・・・。ダメかな?僕、まだ自分の姿見せてもらえてなくて・・・女の子に見えないかな?」 「い・・・いやっ・・・。」 「イヤなの?」 やっぱりダメなんだ。 僕泣きそうだよ。 「反則だ。」 心翔は自分の髪をクシャッと握り顔を赤くしている。 反則? 何がだよ。 「心翔くん。どう?優月すごぉ〜く可愛いでしょ?」 心翔は声に出さずに首だけをコクコクとして頷いていた。 どうして何も言ってくれないの? 僕、そんなに変なの? 皆んなが気を使うくらい可愛く無いの? 「桃お姉様。僕も見たいよ」 「泣かないのメイク崩れるでしょう」 心翔が何も言ってくれなくて桃お姉様の問いだけに答えるから凄く不安になる。 勝手に涙が目に溜まってくる。 いつもなら『優ちゃん。可愛い。』ギュッ的な事してくれるのに僕の姿見ても黙ったまま近づいてもくれない。

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