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第1話 再会

まさか部屋に心翔のお母さんが入ってくるなんて夢にも思っていなかった。 それもあんな事をしようとしている最中にだよ・・・。 どう説明したらいいんだ? 心翔は大丈夫って言ってたけど・・・。 あぁ〜!!! 泣きたいです。 「バスタオル置いておくから・・・優ちゃん」 「あっ、うん。ありがとう」 僕は心翔の家でシャワーを浴びながらこれから起こる出来事を想像して泣きたい気分になっていた。 逃げれない隠れる場所ない。 いつかはバレる。 でも心翔自身を僕の中に入れようとしてる時に・・・・。 泣きたい。 やっぱり泣きたい。 はぁ〜。 考えていても仕方ないよな・・・・。 何を言われるか分からないけどちゃんと受け入れよう。 心翔が悲しむ事をしたくないから・・・。 「心翔。シャワーありがとう」 僕は心翔の部屋に戻った。 「優ちゃん。ごめん、母さん出掛けて帰り遅いって言ってたけど・・・。とにかく下で母さんに紹介するよ」 「うん」 紹介。 彼女? でも男なんだとか言えないよなぁ〜。 心翔のお母さんに何処まで見えてたんだろう? 僕の顔しか見えてなかったら女の子でも大丈夫だろうか? どうしよう。 また目に涙が溜まってきた。 別れなさいとか言われたら・・・。 「優ちゃん?大丈夫だから心配ないから泣かないでくれ・・・」 心翔は両手で僕の顔を包み込み涙を親指で拭ってくれた。 心翔の暖かい手のぬくもり。 「心翔。大好きだよ」 「俺も優ちゃん。好きだよ。ずっと離れないから安心してくれ」 僕は心翔の手に自分の手を添えてコクッと頷いた。

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