「あっ、僕屋上に忘れ物しちゃった」 もうスグ教室だというのに僕はお弁当の袋を屋上に忘れてきた事に気付いた。 「優ちゃん、俺が取ってくるよ」 「大丈夫。自分で行くから心翔は先戻っててよ」 僕はそう言って急いで屋上に駆け上がった。 「あった」 屋上は僕ら4人しか居なかったから取られる心配は無いんだけどね。 「あれ？君は、優ちゃん？」 誰？ 僕を優ちゃんと呼んでイイのは心翔だけなんだ。 背後から呼ばれたので僕は振り向いた。 そこに居たのは凄くイケメンな人だった。 「誰ですか？」 「羽野優ちゃんだよね？」 羽野？ よく見たら僕を変な人から助けてくれた人だ。 僕はあの時、女の子だったんだけど・・・。 この人の名前？ 忘れちゃった。 ネクタイの色からして２年生だよね。 ここの生徒だったんだ。 「僕の名前は羽野優じゃないですよ。人違いじゃ無いですか？」 「だよね。優ちゃんは女の子だった。凄く似てたから本当にごめんな」 そう言って頭を下げた。 「僕は男ですからね」 「だよな。あはっははは。俺は西山心輝（にしやましき　）。」 頭を掻きながら西山先輩そう言って笑っていた。