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第6話 4人で

目に涙が溜まる。 僕を助けてくれた先輩だからって油断した。 油断すると危ない目に遭うのは分かっていたはずだ。 昔、何回も・・・。 いきなり西山先輩は僕の頭をグッと掴むと舌を絡めてキスをしてきた。 僕は逃れようと抵抗しようとするが身体が強張って動かない。 「ふうっ・・・。うっ・・・いや・・だっ・・・。」 心翔・・・。 「お前、何してんだ?」 その声に西山先輩は僕から唇を離した。 「宇佐先輩。お久しぶりです」 「西山、何してたか聞いてんだけどよ?」 ウサちゃんが西山先輩から僕を引っ張り離してくれて後ろに隠してくれた。 僕はウサちゃんのシャツを握りしめ涙を堪えた。 「俺と付き合わないか聞いてたんですけど返事ないから良いのかと思ったんだけど?ダメなの?」 「はぁ?八坂は男だぞ?西山ふざけてんのか?」 「宇佐先輩。男とか関係無いんじゃないですか?俺は優ちゃん気に入ったんですよね。」 軽い感じにウサちゃんがキレたみたいで僕の手をシャツから離すと西山先輩の襟を掴んで殴ろうとした。 そんな事をしたら冬空くんが悲しむ。 次問題起こしたらダメって言われてるはずだよ。 「ウサちゃん。ダメ!!」 僕はウサちゃんの振り上げてる手を掴んだ。 「何すんすか?ゆづさん、コイツ前からこんなんで何人泣かされたと思ってるんすか?」 「でも、殴ったら冬空くんが悲しむだろう?ばかウサ!!僕は平気だよ。知ってんだろが?」 大抵はウサちゃんとクマちゃんが来て助かるパターンが多いんだけどね。 「あん時とは・・・」 「フッ。なんか宇佐先輩。優ちゃんより格下みたいな感じに思えるの気のせいですかね?」 せっかく僕がウサちゃんを落ち着かせようとしてるのに・・・。 どうしたらいいの?

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