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第7話 4人で

「優ちゃん。授業始まるぞ・・・・」 あまりに戻るのが遅い僕を心配して心翔が屋上へ呼びに来た。 でも今の状況は最悪だった。 ウサちゃんが西山先輩を殴ろうとしているのを僕が泣きながら止めている。 心翔は無言で僕達に近づいてくる。 「あれ?君確か心翔くんだよね?」 「なんすかこの状況?」 「あっ・・・そのさ・・・取り敢えず久遠、落ち着こうか?」 ウサちゃんが心翔の顔が険しいのに気がついた。 西山先輩の襟からウサちゃんは手を離してそれから僕に手を離すように言ってきた。 「心翔、あのね・・・」 西山先輩にキスをされたなんて言えない。 ウサちゃんも分かってくれてるから心翔の問いには笑って誤魔化していた。 「心翔くん。彼女元気?」 「はっ?今それ聞いてどうするんですか?」 「俺ね。気に入った子出来たんだよね」 えっ? 「早いとこ教室行こうぜ。なっ、久遠」 ウサちゃんが慌てて僕と心翔の腕を掴みその場から離れようと引っ張る。 でもその手を払いのけて西山先輩に近づいて行く心翔。 「へぇ〜。誰ですか?先輩の気になる子って俺に話すくらいだから俺も知ってるんですよね?」 「心翔、早く教室戻ろう?」 でも心翔は僕の言うことも聞いてくれない。 授業が始まるチャイムが鳴り響いてきた。 「あっ、皆んな授業いいの?」 西山先輩はニャッと笑って僕達に言ってきた。 「西山先輩もいいんすか?授業出なくても?」 「次の時間は自習だから平気だよ。だから、授業サボるなら優ちゃんと話したいなぁ〜」 心翔の顔つきが変わった。 凄く西山先輩に対して怒っているのが分かる。

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