「あれは、ゆずさん秒殺に近かったですよね」 「ゆずさん？トラジさんと龍をボコボコにした人？」 「僕だよ。その後凄く仲良くなったんだ。冬空くんとは僕が顔が腫れてる時に一度会ってるんだよね」 心翔は驚きの顔で僕を見ていた。 今の僕からは想像できないよね。 「あの時は汚い手で呼び出されて無理やり媚薬飲まされてクマちゃんとウサちゃんに助けられた時だよ。皆んなに薬が切れるまでボコって貰ってあの顔に・・・」 「あの時、初めて会ってゆずさん可愛い人とか言われてたから顔見てビックリしたのは覚えてる」 男でも大丈夫な奴らが媚薬使って僕を犯そうと呼び出してきて、いつものようにクマちゃんとウサちゃんに助けられた。 汚い手を使う奴らは許せないんだよね。 何回かそんな目に遭っていた。 絶対その時は気を失うまでクマちゃんとウサちゃんにボコって貰っていた。 彼らは泣きながら僕をボコってたのは覚えている。 「あの後、遥先生が来てね。僕は病院に監禁？落ち着くまで入院させられたんだ」 「それでゆずさんイキナリ消えたんすね」 「うん」 心翔は黙って僕達の会話を聞いていた。 もしかして僕を嫌いになったのかな？ さっきから黙って僕の方も見ないんだよ。 話さなきゃ良かったのかな？ 心翔に嫌われるのが怖い。 でも黙っているのも胸が苦しかった。 僕は心翔には全て打ち明けたいんだ。 嘘付くのが嫌なんだ。