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第19話 4人で
「優ちゃん。俺・・・」
何?
その先聞くのが怖い。
『嫌い』と言われたら?
僕の目には涙が溜まるしウサちゃんや冬空くんも息を飲んで固まっていた。
「ま・・・な・・」
『心翔、僕の事嫌いになった?別れたい?』
そう聞きたかった。
怖いよ。
意気地なしの僕がそこにいた。
下を向き心翔が真っ直ぐに見れない。
別れたいなら別荘の話はお義父さんに許可貰わないよね。
皆んなで行こうと約束したから僕の事嫌いになったけど約束守ろうとしてるの?
これ以上何も聞きたくない。
突然フワッと暖かな物に身体全体が包まれた。
「優ちゃん。ずっと1人でツラかったよな・・・。俺、優ちゃんの事を本当に何も知らないで・・・ごめん優ちゃん。辛くなったら俺がいるから傍にいるから・・・。好きだよ優ちゃん」
「心翔・・・・嫌いじゃない?」
「言っただろ?どんな優ちゃんでも大好きだって忘れたか?」
首を横にフルフルと振った。
僕は泣きそうだった。
いや泣いていた。
心翔の腕の中、暖かな胸に顔を埋めて泣いた。
心翔は何も言わずにギュッと強く抱きしめてくれた。
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