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第12話 4人で Side心翔
俺の部屋に宇佐先輩も呼ぶと優ちゃんが言って冬空に呼んでもらった。
さっきから宇佐先輩が優ちゃんを見て心配そうにしている。
宇佐先輩と優ちゃんは昔知り合いだったんだよな?
何か知っているのか?
優ちゃんは、ゆっくりと自分の両親の話をし出した。
冬空も宇佐先輩も最初に聞いた時の俺と同じ反応をしている。
優ちゃんは前よりは落ち着いているがやはり思い出したくないのだろう身体が少し震えて指先は冷たくなっていた。
優ちゃんは親父さんが大好きだった。
いつも嬉しそうに親父さんの話をしてくれていた。
そんな大好きな親父さんから・・・・・。
俺は優ちゃんの手をギュッと握りしめた。
いつも隣には俺がいるから絶対に離れないから怖がらなくていいんだ優ちゃん。
それから優ちゃんは、この街に来てからの状態や心境を話し始めた。
やはり俺の知らない優ちゃんがそこに居た。
どれだけ自分を傷つけてきたのか俺には想像すらできない。
1番のショックは『死んでもいい』なんて考えていた事だった。
優ちゃんは身体も心も傷だらけでそんな生活を1年以上続けてたなんて・・・。
俺、本当に優ちゃんの事何にもわかってない。
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