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第14話 4人で Side心翔
いつもいきなり母さんが入ってくる。
母さんが優ちゃんの事を嫁とか言い出してるから冬空や宇佐先輩が固まってるだろ。
母さんは俺らに飲み物やお菓子を持ってきたみたいだが本心は優ちゃんに会いに来たのだろう。
昔から実の息子より優ちゃんが好きだった母さん。
凄く楽しそうだな。
俺は母さんに海に行く話をしてお義父さんに別荘を借りれないか聞いてもらい。
お義父さんからは『いつでも使いなさい』と返事をもらえた。
これで優ちゃんとまた新しい思い出が作れるな。
そして俺は気持ちをちゃんと優ちゃんに伝えなきゃダメだ。
「優ちゃん。俺・・・」
改まって優ちゃんに話しかけたから優ちゃんは泣きそうな顔をしているし冬空や宇佐先輩は息を飲んで固まってしまった。
「ま・・・な・・」
不安そうに俺の名前を呼ぶ優ちゃん。
けれど優ちゃんは下を向き俺を見ようとはしなかった。
俺は優ちゃんをそっと抱きしめた。
不安にさせてごめんな。
上手く伝わるかわからないけど優ちゃんに聞いて欲しい。
俺の気持ち。
「優ちゃん。ずっと1人でツラかったよな・・・。俺、優ちゃんの事を本当に何も知らないで・・・ごめん優ちゃん。辛くなったら俺がいるから傍にいるから・・・。好きだよ優ちゃん」
「心翔・・・・嫌いじゃない?」
えっ?
もしかして俺が優ちゃんを嫌いになったとか思ったのか?
だから、不安になったんだな優ちゃん。
安心させないとな。
「言っただろ?どんな優ちゃんでも大好きだって忘れたか?」
優ちゃんは首を横にフルフルと振ると俺の胸で泣いた。
俺はどんな優ちゃんでもずっと傍にいたいんだ。
優ちゃんが、誰よりも大切だから・・・・。
宇佐先輩に話しかけられて気がついた。
まだ冬空と宇佐先輩がいるんだった。
宇佐先輩は少し顔が赤くなってるし冬空は相変わらず無表情だった。
2人には俺の家族が優ちゃんとの事は知っていと話した。
優ちゃんの方は桃さんだけ。
冬空達もいつか家族に話して理解して貰いたいと言っている。
俺も優ちゃんの家族に理解して貰えたら嬉しい。
ちゃんと家族に話そうな優ちゃん。
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