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第2話 夏休み
僕は午前中授業の内容が、頭に入って来なかった。
朝、西山先輩から見せられた画像の事で頭がいっぱいで・・・・・。
どうしたら?
それしか頭に浮かばない。
僕は昼休み授業でわからない所あったから先生に聞きに行くと心翔に嘘をついて図書室に向かった。
心翔が付いてくると言ったけど大丈夫だからと断った。
ごめんね心翔。
図書室に入ると数人くらい席について本を読んだり勉強している人達がいた。
西山先輩何処にいるんだろう?
キョロキョロしていると後ろから不意に腕を掴まれて引っ張られた。
思わず声が出そうになったが我慢した。
「優くん。1人で来たんだね。こっち来て」
僕は言われるまま西山先輩の後をついて歩いて行った。
図書室を出て何処かに向かっている。
「ここで話そっか」
着いたのは視聴覚教室。
確か鍵が・・・・。
ガチャ。
西山先輩は鍵を持っていた。
「そんなに警戒しないでこの前みたいな事はしないからさ。話をしてからだけどね」
吐き気がする。
気分が悪い。
前にも似たような・・・。
頭がズキんっとした。
「ツウッ・・・」
イヤだ。
コワイ・・・助けて・・・・。
頭の中で誰かの声がする。
『ゆず。こっちにおいで』
僕は頭を抱えてガタガタと震えていた。
急に肩を掴まれて僕は反射的に払いのけた。
「お・・・俺に・・・触るな」
「優くん?」
僕は西山先輩の呼ぶ声で我に返った。
えっ・・・あれ?
僕は何をしてたの?
あっ、画像の話をしに来たんだ。
早く話して教室に戻らないと心翔が心配しちゃう。
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