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第4話 夏休み

「うぉ〜ッ!!!すげぇ〜!!!海だ!海!!!!!」 1人で大声を出し砂浜を海に向かって走るウサちゃんがいた。 周りはそれを見てクスクス笑っている。 ウサちゃんてあんな人だったの・・・・。 「冬空くん。ウサちゃん止めてきてよ」 「ゆず君あれ、無理だから他人のフリした方がいいと思うよ」 「冬空がそう言うなら呼ばれても無視するか?」 夏休みに入り7月の終わり頃に僕達は海に来ていた。 心翔と一緒に居れるのって後、何日なんだろう? 「優ちゃん?」 「えっ?心翔何?」 心翔はニッコリと笑って僕の頭を軽く撫でた。 何か言ってたのかな? 「心翔、この辺にするか?」 「そうだな。」 もしかして、荷物置く場所聞いてたのかな? 僕は、ぼ〜ッと心翔と冬空くんがする事を眺めていた。 「優ちゃんは留守番しててよ」 「えっ?僕も海で泳ぎたい」 「優ちゃん、あんまり寝てないだろ?」 バレてる。 西山先輩と話した日からあまり寝れなくなり食事もほとんど吐いてしまう。 「寝たよ。ちゃんと寝たよ」 「何時間?目が赤いし目の下にクマがいる。だからダメだ」 「わかったよ!!寝てるから楽しんで来いよ!!!」 わかってる。 こんな身体で海なんかで泳げるわけがないんだ。 けど・・・・・。 少しでも心翔と一緒に居たい。 ずっと一緒に居れると信じていたから別れなんて来ないと思っていたから・・・・・。 「ゆ・・・優ちゃん?」 心翔の手が頬に伝う涙を拭っていた。 「心翔・・・ごめんね。僕は留守番してるから心翔行ってきてよ。大丈夫だからさ・・・」 「羽織ってるの脱いで平気か?その傷とか気にならないか?」 あっ・・・。 刺された傷。 「ありがとう心翔。傷とか気にならないよ」 「なら、泳ぐのは禁止だからな。俺と海に入るか?」 「うん。入る!」 心翔は僕の頭をクシャクシャとして笑った。 心翔と一緒に居れる。 嬉しいよ僕。

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