174 / 903
第11話 夏休み
「優ちゃん!!」
「心翔?」
あれ?
ここは・・・。
気がついたらベッドの上に寝て心翔が僕の顔を覗き込んでいた。
さっきまで風呂場に居たんだけど・・・どうして?
「良かった。優ちゃん」
「僕は・・・?心翔泣かないでよ」
僕の事になると心翔泣いてしまう。
どっちが泣き虫だかわからない時がある。
僕は心翔の頬に手を伸ばすと涙をそっと拭った。
「ごめんね。大丈夫だから心翔。でも僕は途中から意識がハッキリとしないんだ。僕がその・・・・・自分で動いた辺りから憶えて無いみたい」
「あっ・・・」
心翔の目が見開き顔が真っ赤になっている。
僕・・・何かしたの?
「心翔?」
「へっ?あの・・・冬空と宇佐先輩・・ばっ・・晩飯の材料買いに行ってるから優ちゃん寝てなよ」
心翔の様子がおかしい。
おかしいというか照れている感じに見える。
寝る・・・・。
さっきの夢は憶えていないが寝るのが怖い。
「僕は、大丈夫だから起きるよ。喉も渇いちゃったから下に降りる」
「あっ、うん。何飲みたい?準備しとくからさ」
「僕が買ったレモンティーがまだ冷蔵庫にあった。でも自分でするよ」
「うん。じゃあ行こうか」
なんだろ?
さっきから心翔がぎこちない。
ともだちにシェアしよう!