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第11話 夏休み

「優ちゃん!!」 「心翔?」 あれ? ここは・・・。 気がついたらベッドの上に寝て心翔が僕の顔を覗き込んでいた。 さっきまで風呂場に居たんだけど・・・どうして? 「良かった。優ちゃん」 「僕は・・・?心翔泣かないでよ」 僕の事になると心翔泣いてしまう。 どっちが泣き虫だかわからない時がある。 僕は心翔の頬に手を伸ばすと涙をそっと拭った。 「ごめんね。大丈夫だから心翔。でも僕は途中から意識がハッキリとしないんだ。僕がその・・・・・自分で動いた辺りから憶えて無いみたい」 「あっ・・・」 心翔の目が見開き顔が真っ赤になっている。 僕・・・何かしたの? 「心翔?」 「へっ?あの・・・冬空と宇佐先輩・・ばっ・・晩飯の材料買いに行ってるから優ちゃん寝てなよ」 心翔の様子がおかしい。 おかしいというか照れている感じに見える。 寝る・・・・。 さっきの夢は憶えていないが寝るのが怖い。 「僕は、大丈夫だから起きるよ。喉も渇いちゃったから下に降りる」 「あっ、うん。何飲みたい?準備しとくからさ」 「僕が買ったレモンティーがまだ冷蔵庫にあった。でも自分でするよ」 「うん。じゃあ行こうか」 なんだろ? さっきから心翔がぎこちない。

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