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第10話 夏休み Side心翔
グッタリとした優ちゃんを綺麗にしてから部屋へと運んでベッドの上に降ろし服を着させてからシーツをかけた。
暫くすると冬空と宇佐先輩が戻ってきたみたいでグッスリと寝ている優ちゃんをそのままにして俺は2人の所に向かった。
「あれ!ゆづさんは?」
「今は部屋で寝かせてる」
「ゆづくん。フラフラしてたからな」
晩御飯の話になり宇佐先輩が作ると言いだした。
「宇佐先輩は作れるんですか?」
フッと宇佐先輩が笑う。
「龍は、凄く料理うまいよ。俺たまに休みとか食べさせてもらってる」
「両親が殆ど家に居ないし、姉貴と兄貴で料理は当番制なんだよ」
宇佐先輩すごいな。
俺も母親と2人暮らしの時は簡単な物しか作れなかったからな。
「俺様に任せろ。冬空と買い出しに行くから留守番頼むな」
「いいんですか?買い出しなら俺が行きますよ」
「心翔は、ゆづくんの看病だ。俺と龍に今晩は甘えな」
2人がニッと笑う。
頼もしい2人だ。
冬空と宇佐先輩に甘えて買い出しと晩御飯作りはお願いした。
俺は2人を見送ると優ちゃんの元へと向かった。
部屋に入ると優ちゃんは、うなされていて俺が『優ちゃん』と呼ぶと安心したかのように眠った。
やっぱりまだ両親の夢見るんだろうか?
両親以外の何かあるんだろうか?
フッとさっきの優ちゃんの表情を思い出す。
虚ろな眼をして俺以外の何かを見ている感じの優ちゃんの姿。
何かだ。
絶対に誰かとか思いたくもねぇんだよ。
クソッ。
最低だ俺。
「来ないで・・・。こわ・・・いやぁ・・・」
まさか、親父さんの夢みてんのか?
「優ちゃん!!」
俺は優ちゃんの顔を覗き込みながら揺さぶり起こそうと肩に手を置いた。
するとゆっくりと優ちゃんの瞼が開いていくのが分かり少しホッとした。
あんな夢をずっと見せたくない。
両親のあんな・・・。
優ちゃんが眼を覚ました。
本当に良かった。
「僕は・・・?心翔泣かないでよ」
俺また泣いてる?
優ちゃんは頬に手を伸ばすと俺の頬に伝う涙をそっと拭った。
「ごめんね。大丈夫だから心翔。でも僕は途中から意識がハッキリとしないんだ。僕がその・・・・・自分で動いた辺りから憶えて無いみたい」
「あっ・・・」
覚えてない?
あんな激しく・・・。
うわっ。
優ちゃんの顔見てたらイッてる時の顔思い出した。
優ちゃんの顔見れない。
今の俺、顔が熱い。
絶対に真っ赤になってるはず。
でも、それと同時に『ご主人様』が頭に浮かんでくる。
「心翔?」
優ちゃんが不思議そうに俺を見つめている。
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