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第12話 夏休み Side心翔
「ウサちゃん?僕はどうしたの?」
「えっとですね。ゆづさんが気分悪いって倒れそうだったからですよ。忘れたんすか?」
「心翔と話してたよ。僕は気分悪くなったんだ。」
優ちゃんと宇佐先輩の不自然な会話に俺は戸惑った。
冬空も2人の会話に不思議そうな顔をしていると思ったら目には涙が溜まっていて手に持っていた買い物袋を床に落とした。
「冬空くんが泣きそうだよ。ウサちゃん何かしたの?」
「ゆづくん・・・?」
冬空の震える声。
俺も冬空も戸惑いどうしたら良いのかわからず優ちゃんと宇佐先輩の事を見てるしかない。
「冬空くんがウサちゃんに苛められたら僕がウサちゃんを苛めるからね。」
「ゆづさん。勘弁してくださいよ。」
優ちゃんも宇佐先輩も何言ってんだよ。
宇佐先輩は何か知ってて優ちゃんに合わせて会話してるのか?
宇佐先輩が優ちゃんから離れて冬空に晩御飯の用意しようと話しかけている。
あっ・・・。
宇佐先輩は買い物袋を拾い上げると冬空の頬にチュッとキスをして頭を優しく撫でていた。
いつも頭を撫でるのは冬空だった。
宇佐先輩は冬空の事を安心させたいんだな。
優ちゃんがあんな状態になったのは俺のせいだ。
俺最低だよな。
過去に何かあって優ちゃんが話したくないなら無理に聞き出すのは止めよう。
それに俺だって一応過去に彼女がいてそういう事はしているし1回だけとかも何人かはあった。
だから嫌な過去とかで言いたくないなら俺がそれ以上に良い思い出を作って忘れさせてやる。
冬空と宇佐先輩を見ている優ちゃんを俺は後ろから抱きしめた。
「優ちゃん。ごめん変な事言った」
「大丈夫だよ。本当に心翔が初めてなんだからね」
「うん」
優ちゃん分かったよ。
俺が優ちゃんの初めてを全部貰ったんだ。
今もこれからも俺だけの優ちゃんでこれから2人でたくさんの初めてを作っていけばいい。
俺は優ちゃんを少しきつく抱き締めた。
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