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第10話 夏休み 夜空 Side心翔
優ちゃん、さっきの見られたから恥ずかしがってるよな。
そんな事を思いながら部屋に向かうと話し声が聞こえてくる。
「何してんのみんなで?」
こんな夜中に何してんだ?
優ちゃんは宇佐先輩に見られたから恥ずかしいはずで俺にもあんな姿見られてるから動揺してるよな。
宇佐先輩と優ちゃんは下を向いてしまっている。
この状況を説明して欲しいんだけど俺。
「心翔、さっき龍が迷惑かけたから謝りに来たんだ」
冬空が俺の表情を察して説明してくれる。
「あぁ〜。覗いてたやつだろ?」
「えっ?心翔どうしてまだ話してないのにウサちゃんが覗いてたって知ってるの?」
「気配感じて、ドアに視線向けたら覗いてた」
宇佐先輩はもっと顔を下に向けてるし優ちゃんは耳まで真っ赤にしてオドオドしてるし最悪だ。
知らないフリすれば良かった。
俺は優ちゃんの隣に座ると肩を抱き寄せ頭を撫でた。
「優ちゃん。俺に寄りかかってろよ。眠くなったら寝ろ今日はかなり無理しただろ?」
「でも・・・」
「起きててもいいけど俺に体重かけてろよ」
「うん。ありがとう心翔」
俺にグッタリと寄りかかる優ちゃん。
やっぱり無理させたよな。
心配するくらいならヤるなと思うが優ちゃん見てると本当に抑えがきかなくなる。
こんなに欲情する事は今までに無かった。
「宇佐先輩。優ちゃんが心配してたんですよ。その分だとまだヤッてないでしょ?俺達の見て少しは怖くなくなりましたか?」
「あっ・・・うん。かなり怖くない」
優ちゃんが気持ちよく喘いでる声しか聞かせてないからそれで怖さが増したって言われたら見せてた意味がない。
「後は、冬空が宇佐先輩の恐怖とか感じて丁寧にしてやれば大丈夫じゃないか?」
「心翔もしかして、龍にわざと見せてたの?」
「そう。だから優ちゃんの声だけでも聞かせたくないけど可愛い顔とか見せたくないから後ろからしたんですよ。宇佐先輩」
俺だけの優ちゃんなのに好き好んで見せるわけないだろ。
ずっと宇佐先輩が悩んでると優ちゃんが『ウサちゃん』とずっと名前を呼んだり心配するからイヤなんだよ。
俺は宇佐先輩に妬いてるんだ。
「本当は、あれから色々な事をしようと思ったんですけどね。あれ以上優ちゃんの可愛い声聞かせたくないですしね」
優ちゃんがビクッと身体を反応させた。
顔を覗き込むと瞼が少しだけ閉じかかっている。
眠そうにしてる優ちゃんが可愛い。
「ふふッ」
もう瞼は完全に閉じられていたから何か夢を見てるんだろうな。
幸せそうな顔をしている。
「寝ちゃったんすかね?」
返事しないから夢の中だな。
「多分。寝ぼけてると思う」
「ゆづくん。幸せそうな顔してる」
「久遠、さっきはすまなかった」
宇佐先輩が頭を下げてくる。
「宇佐先輩、気にしないでください。優ちゃんにも今までの様に接してもらえたら嬉しいです」
「わかった。そろそろ部屋に戻るよ」
冬空と宇佐先輩は頭を下げると部屋を出て行った。
俺は優ちゃんをベッドへ寝かすと俺の腕の中におさめて一緒に眠りについた。
おやすみ優ちゃん。
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