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第1話 夏休み 2日目

あれ? 身体が動かない。 ウサちゃんと冬空くんが部屋に来てて・・・それから僕はどうしたのかな? 段々と意識がハッキリしてゆっくりと重たい瞼が開いていった。 「うわぁッ!」 「うんっ?・・・・優ちゃん?」 目を開けると心翔の顔が鼻にあたりそうな位に近くにあって身体は抱きしめられているから動けない状態になってる。 心翔は、まだ眠いのか僕の名前を呼んだだけで直ぐに寝息を立てて眠ってしまった。 どうしよう・・・。 今何時かな? 朝食を冬空くんと作る約束してたけどまだ冬空くん寝てるのかな? 心翔の腕から逃げたいけどガッチリ身体を抱きしめられているからどうしたもんだろう? コンコン。 そんな時、部屋のドアをノックする音がした。 返事してもこの状態じゃあ恥ずかしいし困った。 暫くすると勢いよくドアがバァ〜ンッと開いて聞き覚えのある声が聞こえて来た。 「いつまで寝てんだ!!!起きろっ!!!!!」 嘘だよね。 僕はドアに立っている人物を見て驚いて声が出なかった。 「お前らといい塚元や宇佐といい何時まで寝てるつもりだ?」 「先生!!!!!」 「何?先生・・・・?」 心翔は抱きしめていた腕を緩めると目を擦りながらドアの方を見て固まってしまった。 幻でもなくそこに立って居たのは担任の穂波先生。

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