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第2話 夏休み 2日目

「颯斗(ハヤト)。もう良いからこっち手伝えよ。どうせ夜更かしして今まで寝てたんだろう」 「こいつらの担任としてだな。休みとはいえ規則正しい生活をするように指導をしないといけないのだよ」 「ハイハイ。今日は担任止めとこうな」 穂波先生は聖(ヒジリ)先生に腕を引っ張られて部屋から出て行ってしまった。 部屋の外でまだ2人が言い合いをしている。 でもすごく仲よさそう。 心翔はゆっくりと起き上がると頭をブンブンと振って眠気を覚まそうとしていた。 「びっくりした。俺まだ頭が働かなくて何が起きたか分からないんだけどな」 「穂波先生と聖先生が何故か一緒にいて僕達を起こして回ったみたいな感じ?」 「聖兄さんが来るの明日だよな?迎えだけって聞いたんだけど・・・・何故穂波先生が一緒に居るんだ?」 「取り敢えず服着替えて下行こうよ。僕お腹空いちゃった」 やっと自由になった身体をベッドから起こすと荷物から着替えを取り出して着替え始めた。 「優ちゃん。チュッ」 「ひゃあっ。心翔!」 心翔は僕を後ろから抱きしめると首にチュッと音を立てキスを落とした。 こんな所を穂波先生に見られたらどうするんだよ。 穂波先生は僕らが付き合ってるのとか知ってるんだろうか? さっきの反応からして知っているような感じがする僕の思い過ごしなら良いんだけどね。 やっぱり担任にはバレたくない。 「優ちゃん。その服だと首とか隠せないよな」 「えっ?あっ、どの服着ても隠せないよ。心翔もだろ?」 「聖兄さんは、俺らの事は知ってるから良いけどさ。穂波先生は知らないだろ」 知らないであって欲しいと願う僕が居たがそれは数分の間で叶わないものとなってしまった。

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