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第9話 夏休み 2日目
「優ちゃん。どうして泣いてるの?」
心翔・・・・・。
どの位時間が経っているのだろう?
僕はベッドに潜り込んでるから泣いてるかなんて心翔には分からないよね。
「あっ・・・。泣いてなんか・・・・ない」
「嘘ついても分かるんだからな。優ちゃんさ・・・西山心輝と何があった」
西山心輝・・・・・。
今は聞きたくない名前。
「何も・・・無い」
僕が言えばあの画像がネットにアップされてしまう。
それだけは避けなければならない。
「言いたく無いんだ。俺は知ってるよ優ちゃん西山心輝に脅されてるだろ?」
どうして・・・心翔が知ってるの?
僕は潜り込んでいたタオルケットから勢いよく出てしまった。
「やっぱり。優ちゃん脅されてたんだな」
「どうゆう・・・・あっ・・・・・・」
心翔が僕の頬に触れる手はとても暖かくて優しい手をしている。
でも僕を見る心翔は悲しそうな顔をしていた。
僕の大切な人を守りたかった。
傷つくのは僕だけで良いと思ってたんだ。
でも今の心翔の顔を見たら・・・・・。
僕の考えは間違ってるの?
心翔はベッドに腰を降ろして僕を強く抱きしめた。
「西山心輝に脅されたのは、適当に言ったんだ。西山心輝が現れなくなって次の日位に譲と茜ちゃんから優ちゃんが図書室で西山心輝と一緒に居たって聞いたんだ。俺は現れなくなったのは優ちゃんがハッキリ西山心輝に断ったからだと思っていた」
僕は心翔の誘導尋問みたいにされて脅された事がバレてしまった。
「さっき聖兄さんが桃さんが優ちゃんの様子が最近おかしいって心配してるって聞いた。部屋に閉じこもるようになったとね。それが夏休みに入る1週間前」
僕は家でも普通にしてたつもりでいたんだ。
でも部屋に閉じこもるとかは心翔と付き合う前の事で付き合いだしてからは、僕は少しだけ変わったんだ。
以前より八坂の家の人と話をする事が多くなりリビングにいたりした。
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