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第10話 夏休み 2日目
僕は少しずつ心翔に西山先輩との間で何が起こったか話した。
話しながら心翔に言うべきでは無かったとか色々考えてしまい上手く話せなくて詰まったりした。
でも心翔はずっと静かに聞いていてくれた。
「優ちゃん。話してくれてありがとう。でもちょっとだけ怒らせて欲しい」
「えっと・・・はい」
心翔は抱きしめていた手を緩めると両手で僕の顔を包み込むように触れた。
「隠し事はこれから無しだ。それに優ちゃんを犠牲にしてまで俺は守られたくない。そんな事をされても俺は嬉しくないし幸せにもなれない」
僕を犠牲に・・・・・。
僕は・・・。
「後、宇佐先輩も冬空も喜ぶわけないだろ?」
ウサちゃんも冬空くんも・・・・・。
喜ばない・・・。
「でも・・・周りに知れたら・・・・・」
「でもじゃない。1人で考えるより皆んなで考えたら良いんだよ。もっと俺や周りに頼れよ」
周りに頼る。
僕はあの日以来いつも1人が多かった。
周りの人に頼るとか考えたこと無かった。
「心翔・・・僕・・・・・」
「俺はそんなに頼りないか?」
頼りない?
違う・・・。
上手く言葉が出てこなくて目から涙が溢れ出す。
さっきもたくさん泣いてさっきのは悲しくて泣いたんだ。
この涙は・・・悲しくて泣いてるんじゃない。
心翔の暖かく優しい気持ちに触れて涙が溢れ出す。
心翔は何も言わずにそっと額に唇を当ててくれた。
ありがとう・・・・・心翔。
僕は心翔の腕をギュッと掴んだ。
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