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第11話 夏休み 2日目 Side心翔
コンコン。
「心翔。優月くん大丈夫か?心翔に少しだけ話があるんだけど降りてこれるか?」
「うん。少し待って5分で降りていくから聖兄さん」
優ちゃんの顔を見ながら頭を撫でる。
「シャワー浴びといでよ。その間に聖兄さんと話しとくからさ」
「うん」
「身体大丈夫か?フラつかないか?」
「もう少し休んでから行くから心翔は聖さんと話してきてよ」
俺はベッドから降りて服を着ると優ちゃんに軽くキスをして下へと降りた。
リビングには、聖兄さん、穂波先生、冬空、宇佐先輩がソファに座って難しそうな顔をしていた。
「聖兄さん、何?」
「心翔、座って話を聞いて欲しい」
俺は言われるままソファに座った。
「優月くんの事で心翔に話しておかないといけない事が起きたんだ」
「優ちゃんの事?」
「心翔にとったらキツイ話になる。大丈夫か?」
聖兄さんがいつにもなく真剣な表情で俺は少しだけ怖さを感じた。
「大丈夫」
「話を聞いても冷静にいてくれ」
何の話?
優ちゃんが病気で・・・。
そんな事は考えたくない。
ゆっくりと聖兄さんが話してくれる。
優ちゃんが宇佐先輩とかと仲良くしてた頃に拉致られて暴行監禁され全裸で傷だらけの状態で発見それが1度や2度じゃなくて何回もあった。
誰かがトラジさんに密告して来て助け出されていた。
優ちゃんは媚薬を使われてトラジさんや宇佐先輩に殴ってもらっていたと思い込んでるみたいだがそれは優ちゃんを拉致した奴の仕業。
警察に話そうにも本人が憶えていない。
優ちゃんは、そいつの事とか拉致られた事は全く覚えていないらしくてトラジさんが傷つかない様に媚薬が効いている間ボコったと嘘を付いた。
俺はココまで聞いて吐き気がしてきた。
どうして優ちゃんが・・・。
優ちゃんを拉致した奴の名前は冬樹(トウキ)それしか当時は分からなかったらしい。
聞いても皆んな名前しか知らないと言い張るから何も掴めないで皆んなは苛立ちだけが大きくなっていった。
優ちゃんが入学する頃には冬樹は街から姿を消して安心をしていた。
「だがつい最近戻ってきてるみたいなんだ」
「はっ?どうして分かったの聖兄さん」
「あの時、冬樹と連んでいた奴らからの情報。そして冬樹は西山冬樹。西山心輝の兄だと分かった」
西山心輝の兄・・・・・。
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