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第1話 暗闇

冷たい・・・・・。 いつから俺はここに居るんだっけ? ジャラッ。 「重たい・・・」 この手枷とか足枷が皮膚に食い込んで血が滲んでいる。 普通なら痛いんだろうが俺はこれくらいの痛み何にも感じなくなっていた。 腕の内側の傷っていつから付いたんだろうか? それにこの部屋って窓もなくてコンクリート剥き出しで真ん中にはベッドしかないんだよなぁ〜。 眠たい・・・。 寝たいけど身体が怠いし寝るにしても深い眠りにはつけないのは、寝ると嫌な夢を見るからだ。 俺はなるべく起きている様にした。 寝ても1時間以上熟睡した事がなくスグに目覚めてしまうからだ。 あれって誰だろう? あの暖かそうな腕の中は不快に感じる。 コツコツ。 ご主人様が戻って来た。 「やぁ、ゆづは良い子にしていたかい?」 「ご主人様。俺は良い子にしてたよ」 良い子ってなんだろ? 「ふぅんっ・・・はぁ・・・・・」 「これを咥え込んでイクの我慢してたんだね。言い付け守ったゆづには、ご褒美をあげようね」 俺の後ろにはバイブがぶち込まれイケない様に俺自身は縛られている。 「はぁっ・・・ま・・・な・・・」 俺は今誰の名前を呼ぼうとしたんだ? バキッ。 右頰に激痛が走る。 「悪い子だよね?まだアイツを忘れてないんだな。忘れるまで酷い事をしないといけないよね」 「あっ・・・ごっ・・ご主人様。それはイヤ・・・です。酷い事・・・お願いします」 身体が強張り震える。 イヤだ。 ご主人様の手にはナイフが持たれている。 「言って解らないから身体で覚えようね」 言葉は丁寧だが次の瞬間にはナイフで俺の太股が切り付けられていた。 深くは切らずに浅い切り傷を身体中無数につけられる。 殴られようが蹴られようが痛みは感じないがナイフだけは違っていた。 浅い傷だけでも痛みを感じてしまう。 それはお腹にある傷跡が原因だと思うがよく覚えていない。

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