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第1話 暗闇 Side心輝

冷たい。 身体中が痛い。 気がつくと俺は部屋の入り口付近で倒れていた。 そうだ。 ゆづくんは大丈夫なんだろうか? 身体を起こしてゆづくんを探した。 俺の目に入ってきたのは部屋の隅に身体を丸めて座り込んでいるゆづくんだった。 俺は立ち上がるとゆづくんの傍に行こうと歩き出した時に、床の赤い点々とした物が目についた。 それは、ゆづくんの所まで続いている。 まさか、怪我してる? 俺は身体中が痛いのも忘れてゆづくんの傍に行きかがみ込んで名前を呼んでみた。 「ゆづくん。大丈夫?」 下を向いていたゆづくんの顔が声に反応して俺の方に向いた。 「ゆづくん」 「ゆづくん?誰?」 「何言って・・・。もしかして・・・」 ゆづくんは自分が分からない? なら俺も分からない? 「ゆづくん。俺は分かる?」 「うん。心輝」 ゆづくんは少しだけ混乱してるんだと思ったんだ。 前にも同じ様な事があり数分で思い出したから今回も大丈夫だ。 「心輝。俺はどうしてここにいるの?」 「それは・・・・・」 どう話して良いんだろう? どこまで覚えているんだろう? 「心輝。俺、背中痛いから見てくれる?」 「そうだ。痛いところ見せてゆづくん」 俺はゆづくんの後ろに回り背中を見て驚きの余りに声が出なかった。 いつもはこんな大き目な傷を付けないのに何があったんだ? それでも縫わなくて良い程度に右肩辺りから10cm切られていて血が流れている。 「ゆづくん。すぐに手当するからちょっと待ってて!」 立ち上がり入り口に向かって歩き出そうとした時に足を掴まれた。 「心輝。1人にしないで・・・お願い」 「ゆづくん?すぐに戻るから待ってくれる?」 ゆづくんは泣きながら首を横に振り身体はガタガタと震えていた。

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