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第2話 暗闇 Side心輝
ゆづくんは歩けるだろうか?
「ゆづくん。歩けそう?」
「心輝が一緒なら歩ける」
いつも毛嫌いされてたから甘えられてるみたいで調子が狂いそうだ。
「ほらっ、一緒に俺の部屋行こう」
外には許可を貰えば出れるがゆづくんと同じで俺もこの階に部屋がある。
俺の父親が経営しているホテルの地下に兄さんが設計の時に勝手に地下室を作る様に指示を出していた。
父親は後から知ったが兄さんには甘いから何も言わなかった。
この地下室で何がされているかも父親は知らないだろう。
俺は兄さんと暮らしている事にされているから両親は自宅に帰らなくても気にも留めない。
全て兄さんの思いのままになっている。
最低な家族だよ。
「心輝。部屋は遠い?」
「ここの扉を鍵で開けたら直ぐだよ」
ゆづくんが逃げれない様に鍵の付いた扉がある。
その扉を使わなければ外には出れない。
ゆづくんが閉じ込められてる部屋には鍵がないから部屋から出ればシャワールームとトイレは自由に使える。
けどゆづくんはいつも俺が居なかったら部屋からは出ない。
部屋から出るのは俺が一緒にいる時だけだった。
本当は俺の部屋に連れて行くのは兄さんに激怒されるがもう自分もどうでも良くなっていた。
兄さんに殺されても良いと考え始めていたからだ。
ゆづくんをこんな目に遭わせて俺は自由に楽しく生きていけるはずがない。
兄さんから逃げたくてゆづくんを連れて来たけどずっと胸が苦しかった。
ごめんなゆづくん。
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