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第7話 暗闇 Side心輝

あの後泣かないゆづくんに興味を持った兄さんはゆづくんが泣き叫ぶ様な行為を探していた。 俺は隙を見てトラジさんに仲間を使い密告したんだ。 仲間から聞いた話だが初めてヤられた日の事はゆづくんは何も覚えていないと言っていた。 それ程までに兄さんはゆづくんの心を傷つけていたのだ。 それから兄さんは海外にホテルを出すから少しだけ忙しくなり暇を見てはゆづくんを監禁した。 ゆづくんを連れ出すのはいつも俺。 ゆづくんは俺を覚えていたがあの日の俺との出来事は忘れていた。 兄さんがゆづくんに泣き叫ぶ行為をすると思い出し『ご主人様』と呼ぶ。 俺はゆづくんを連れ出せなかったら暴行されて何人も男に犯された。 本当に最低な兄さんだよ。 どうして今更こんな事を思い出してんだろ俺がゆづくんにした事は謝っても消えたりしない。 今だってこんな傷を負わせてしまった。 来週から2学期が始まりその頃兄さんは海外のホテルに視察に行くから1週間は帰って来ない。 学校に行けば久遠に会える。 ゆづくんは必ずココから出してやる。 そしたら、また久遠に向けて幸せに笑えるかな? 俺には手に出来ないあの笑顔。 「痛いよ。心輝」 「あっ、ごめん。終わったから少しだけ寝るか?」 ゆづくんは首を振り俺の方を向くと笑いかけてきたその笑顔は久遠に見せていた笑顔とは違うが俺にも見せてくれた。 胸が苦しくて涙が頬を伝った。 「心輝は痛いの?大丈夫?」 ゆづくんは、身体ごと俺に向けると頬に伝う涙を指で拭った。 俺はその手を掴み手の甲に唇を当てた。 こんな俺に優しくしないでくれ・・・・・。 「大丈夫だから気にしないでゆづくん」 俺がそう言うと安心したかの様に笑いかけてくる。 「シャワー浴びるか?傷には当たらない様にするからゆづくん」 「うん」 「わかった。俺の部屋のシャワー使おう」 「心輝と入るの?」 「1人じゃ無理だろ?」 ゆづくんが顔を赤くしてコクリと頷いた。 そうだった・・・・・さっき迄の行為は全て忘れてるんだよなけど顔が赤いのは何故だろう?

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