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第1話 救出

俺は心輝が好きだと思う。 けど心輝は俺を好きじゃ無いと言ってきた。 今この場所にいるのは心輝がした事で俺には大切な人もいると言っていたが・・・・・・。 大切な人なんて覚えていない。 俺は目の前にいる心輝が大切な人。 心輝に拒まれたら俺は悲しくて胸が張り裂けそうだ。 ただ傍にいれたらいい。 俺はベッドの隅にうずくまり泣いていた。 心輝は言葉はキツイがそれでも俺の頭を優しく撫でてくれる。 これは俺を好きだからしているんじゃ無いと分かっているけど今の俺には心輝だけが心の支えになっていた。 心輝の手は暖かくて俺は知らない間に寝てしまっていた。 いつもなら1時間しないうちに起きてしまうのに心輝に起こされるまで熟睡していた。 何日ぶりだろうか? 「ごめんな。もっと寝かせてやりたいけど兄さんに見つかると何するか分からないから部屋に戻るぞ」 俺はコクリと頷いてまだ眠い目を擦り起き上がった。 部屋に戻るとまたベッド上に座り心輝が出て行く入り口を見つめていた。 「ゆづくん。食べる物を持ってくるから待ってろよ」 また食べる話をされる。 仕方なく小さく頷いたがあまり食べたくなかった。 昨日から何も口にしてないから確かにフラフラはしているが倒れるほどでも無いと思っている。 心輝が持ってきたら食べないと怒るかな? 昨日の床に散らばったご飯は綺麗に掃除されていた。 心輝は朝から俺のご飯を作ってくれたらしくこの前よりも早く部屋に運んで来た。 ベッドに置かれたトレーには卵粥が載せられていて湯気が上がっている。 心輝は隣に座り俺が食べるのを見ているがやはり食欲が無くてスプーンを握って粥の中をクルクル掻き回しているだけだった。

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