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第8話 救出

病院に着いたら2人部屋に通され窓際のベッドは俺で入り口のベッドは心輝だった。 俺は心輝が一緒にいるなら安心出来るしこの人達は俺にも心輝にも痛い事をしないと分かった。 ベッドに座っていると白衣を着た男の先生が入ってきた。 「初めましてになるんだよね。僕は久遠遥。この病院の精神科医。ビックリするよね。身体の傷とか酷いからその辺はまた専門の医師が見るけどね。色々話しにくい事があると思うからその辺は僕が聞く事になるんだ。これからよろしくね」 車に乗っていた綺麗な顔立ちをした人と似てるけど久遠遥先生は優しい感じがする。 「初めまして、ゆづです」 「そっか、心輝くんから本当の名前を教えてあげてくれるかな?」 俺の名前はゆづじゃないの? 「ゆづくんは、八坂優月」 「八坂優月」 声に出して名前を言ってみるが違和感がある。 ずっとゆづと呼ばれていたからだろうか? 「優月!」 息を切らせて白衣を着た中年男性が病室に入ってきた。 誰? 「八坂先生。落ち着いて下さい。優月くんがビックリしますからね」 「すみません。見つかって良かった」 八坂先生? 俺と苗字が同じだ。 八坂先生は俺を見て泣きそうな顔をしていた。 凄く優しそうな先生。 本当にご主人様が連れてくる男達とは全く違う。 「優月くんが混乱してしまうと思うから先ずは傷の手当をしましよう。もう直ぐ整形外科の先生が来るはずです。僕の親友なんで安心して下さい」 遥先生は八坂先生の肩を軽く叩いて元気づけている様に見えた。 暫くすると整形外科の如月大輔(きさらぎだいすけ)先生が病室に来て俺達を見ると少しだけ驚いた顔をしていた。 心輝は顔に傷があり俺は青白くて今にも倒れそうな感じに見えてたと後から遥先生が教えてくれた。 心輝は腹部に打撲が酷いのでレントゲン検査をする事になり俺は傷の手当てが終わると内科の先生が病室に来る事になっていた。

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