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第9話 救出

「ごめんね。優月くん待たせたね」 明るい感じで部屋に入って来たのは車の助手席に乗っていた綺麗な顔立ちをした男の人だった。 「あっ・・・車の人」 「うん。あれ?心輝くんは?あっそうだね。まだ治療中だったね」 治療中? 「心輝は、大丈夫ですか?」 「うん。直ぐに良くなると思うから優月くんも傷とか早く治そうね」 「はい」 「俺は久遠聖。さっき遥が来ただろ?俺達は双子。あまり似てないかな?」 ブンブンと首を振った。 「そっか、でだね。優月くんはあまり食欲ないんだよね。今もお腹空かない?」 「はい。でも・・・心輝が作ってくれたお粥は食べれます」 「心輝くんが居たら安心するかな?」 「はい」 聖先生が血液検査の結果を見て難しい顔をしていた。 「あまり食欲ないみたいだから点滴したいけどいいかな?」 「はい。大丈夫です」 「よし、直ぐに準備して来るから待っててね」 聖先生は俺の頭を優しく撫でるとバタバタと忙しそうにドアの方に向かって歩いて行った。 「おっ、心翔。入って大丈夫だぞ」 「うん」 心翔って俺の手を握ってくれてた人だよね? どうして病室に来たんだろう? 心翔って人は俺が居るベッドへとゆっくりと近づいてきた。 やっぱり身長高くてかっこいいなぁ〜。 なんだろ? 見てるだけで身体が熱くなってドキドキして来た。 俺、なんか心臓もおかしいのかな?

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