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第11話 救出
「ごめん」
心翔って人はそう言うと俺の腕を掴んでゆっくりと自分の腕の中に引き寄せて俺の頭を優しく撫でる。
俺は心翔って人の胸に顔を埋めて声をさっきよりあげて泣いてしまった。
「優ちゃん・・・・・。好きだよ」
心翔って人は俺の頭に唇を当てて背中の傷を気にしながら抱き締めてくれた。
俺の事が好き?
さっき友達って言ってたよね?
心翔って人の言葉に混乱してさっき迄泣いていたのが嘘のように涙が止まった。
顔が熱い。
心輝にギュッとされてもドキドキはしたけど心翔って人にされたらそれ以上にドキドキとしてしまう。
あれっ?
心輝が言っていた大切な人って・・・・・。
でもさっき『友達』って言われた。
俺の片想いとか?
そうだよ。
男だし心輝とは出会った境遇が違うから心翔って人が男を好きだって・・・・・。
でも『好きだよ』って言った。
それに頭にキスとかされた。
うわぁ〜。
俺どうしよう。
心輝が好きとか言っといてなんだよこれって、俺は誰でも好きとかになるのか?
違う。
ご主人様やご主人様が連れてくる男達の中にもカッコイイ人が居たけどこんな感情はなかった。
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