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第3話 救出 side心翔

あまりにも必死に訴えてくる西山心輝に優ちゃんがどれだけ危ないのか伝わってきた。 「わかった。話してくれ」 西山心輝が今の優ちゃんがどんな状態か話を聞いて俺は愕然とした。 「記憶がなくなってる・・・・」 やはり話の内容は俺にはキツくて吐き気がしてくる。 優ちゃんが暴力を受けて色んな男達に犯されているという話は夢であって欲しかった。 西山心輝ともヤッた・・・・・。 感情のコントロールが出来ない。 西山心輝も時折腹部を抑えて痛みを我慢しているように見えた。 優ちゃんを偽画像で脅していたのは、俺と付き合ってると冬樹にバレたら優ちゃんがどれだけ酷い事をされるか解らなかったからどんな手を使っても別れさせたかったと言って謝ってきた。 でも予定より早くに帰国したため俺の存在を知られて優ちゃんはかなり酷い暴力などを受けてしまい記憶が失くなってしまった。 怒りと哀しみの2つの感情が渦を巻いている。 俺1人だと上手くいかないかもしれない冷静な判断が出来る人間の協力が欲しい。 「俺だけだと無理だから何人か連れて行く良いか?」 「見張りは少ないが俺も校門を出れば見張りに後をつけられる。さっき確認したら2人いた」 「その辺は、俺の兄さんに相談してみる」 聖兄さんか遥兄さんに、相談をすればきっと適切な回答が貰えるはずだ。 俺は震える手で兄さんに連絡をした。 遥兄さんは携帯電話にでなかったが聖兄さんには繋がった。 「穂波先生に協力して貰って学校から俺の家に行くけど西山心輝はそれで大丈夫か?」 「穂波先生に?」 「聖兄さんの親友で俺と優ちゃんが付き合ってると知っている。後は、冬空と宇佐先輩に協力して貰う」 「何かあった時に理解者の協力が必要だからそれで良いと思う」 今は冬樹が優ちゃんの傍に居ないから少し安心できるがあまり食欲が無いとご飯を食べてないらしくて弱っていると西山心輝が言っていた。 海の時もあまり食べていなかった。 それ以上に精神的にも体力的にも弱ってるんだろう。

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